MISC

2001年

リン酸カルシウム系結晶化ガラスを用いたブリッジの臨床試験について

歯科医学
  • 川添 堯彬
  • ,
  • 田中 昌博
  • ,
  • 更谷 啓治
  • ,
  • 楠本 哲次
  • ,
  • 鳥井 克典
  • ,
  • 末瀬 一彦
  • ,
  • 上田 直克
  • ,
  • 龍田 光弘
  • ,
  • 田中 誠也
  • ,
  • 松谷 善雄

64
1
開始ページ
19
終了ページ
27
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.18905/shikaigaku.64.1_19
出版者・発行元
大阪歯科学会

臨床において, 天然エナメル質に近似した組成および物理的性質を有し, 生体親和性および審美性を備えた, リン酸カルシウム系結晶化ガラスをブリッジに応用することを目的として, 平成11年4月1日から同年9月30日までに大阪歯科大学附属病院補綴咬合治療科に来院した患者30名にリン酸カルシウム系結晶化ガラス・ブリッジを装着し, 3か月間における臨床試験を行った.ブリッジはワンピースキャスト法で製作した3ユニットの固定性ブリッジとした.観察項目は支台歯の歯髄反応および二次齲蝕, ブリッジ周囲の軟組織の変化, ブリッジ自体の性状および変化, 副作用の有無について, ブリッジ装着時, 装着1週以降, 1か月以降および3か月以降において経過観察を行い, 以下の結果を得た. 1.支台歯について, 重度の歯髄反応および二次齲蝕は認められなかった. 2.ブリッジ周囲の軟組織について, 重度の炎症は認められなかった. 3.ブリッジの辺縁適合性について, ギャップが象牙質または支台築造材料に達している症例は認められなかった. 4.ブリッジの色調適合性について, 不適合で容認できない症例は認められなかった. 5.亀裂, 破折および脱落について, 亀裂および脱落は認められなかったが, 破折が装着約2週間後に1症例認められた.このブリッジの近心連結部の厚さは2.5mmと菲薄であった. 6.特記すべき副作用は認められなかった.以上の結果から, リン酸カルシウム系結晶化ガラスを用いた一歯中間欠損の3ユニットの固定性ブリッジは力学的に過酷な症例を除き, 機能性, 色調再現性, 色調安定性および生体親和性にほぼ満足のいく結果が得られ, 連結部の厚みを3mm以上確保することによって, 臨床において十分応用できると判断できた.

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.18905/shikaigaku.64.1_19
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/110001724216
CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN00099810
URL
http://search.jamas.or.jp/link/ui/2001193758
ID情報
  • DOI : 10.18905/shikaigaku.64.1_19
  • ISSN : 0030-6150
  • CiNii Articles ID : 110001724216
  • CiNii Books ID : AN00099810

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