共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

慈悲をベースとした認知行動療法の心理学的・生理学的効果の検討

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)
  • 有光 興記

課題番号
17K04453
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

本研究の目的は,社交不安症に対する認知行動療法を実施する際に,慈悲の瞑想を追加した場合により大きな症状改善が見られるかを検討することであった。
平成30年度は,昨年度に開発したプログラムへの参加者を,SNS,フリーペーパー,バス広告を使用して募集した。その中で,面接によって社交不安症の診断基準を満たし,社交不安症が主な症状であり,現在精神疾患に関する投薬を受けておらず,統合失調症,双極性障害の症状を持たず,自殺念慮がなく,抑うつの尺度(BDI)の得点が30点未満の参加希望者のみを実際の参加者とした。
これまでに210名の応募者と56名のアセスメント通過者を得た。そのうち,参加基準をクリアしたものを対象に,効果検証を実施中である。トレーニングの参加完了者が分析に必要な48名に満たないため,来年度もこのプログラムの効果検証を継続する必要がある。
また,プログラムの改善点をより明確にするため,大学生を対象に,スピーチ場面でセルフ・コンパッションとマインドフルネスを高める教示法を操作する実験,またマインドフルネスとマンドワンダリングを区別して教示する方法を操作する実験を行い,不安低減効果のある教示法について検討した。その結果,慈悲の瞑想の方がマインドフルネス瞑想の教示よりも,スピーチ場面の生理的覚醒を低下させる可能性,マインドワンダリングの教示だけではマインドフルな状態を継続できない参加者がおり,マインドワンダリングと同等の効果しか得られないことが明らかとなった。
現在,臨床試験と実験で得られた知見を統合し,プログラムの中でも教示を工夫し,不適応行動に焦点を当てるセッションを複数回導入したプログラムを開発中である。

ID情報
  • 課題番号 : 17K04453