共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年7月 - 2023年3月

診断前支援段階における自閉スペクトラム症児の早期社会接続に関する介入手法の確立

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)  挑戦的研究(萌芽)

課題番号
20K20844
体系的課題番号
JP20K20844
配分額
(総額)
6,240,000円
(直接経費)
4,800,000円
(間接経費)
1,440,000円

第2年次の研究では、逆模倣やミラーリングのような簡易で侵襲性の低い早期社会接続のための介入手法が、自閉スペクトラム症児の不安や恐怖を誘発・増悪させることなく、肯定的な対人相互作用を促進するという仮説(秋元・大石・若井・藤島,2020)を検証(再現性を確認)することを目的とした。令和2年度に引き続いて、新型コロナウイルス感染症のまん延による国・自治体の緊急事態宣言の発出等が続き、都道府県境を跨いでの移動を伴うフィールド調査が不能となった。また、唾液を採取してこれに含まれるコルチゾール濃度を測定し起床時コルチゾール反応(CAR)を指標とするストレス度を判定する方法は、令和3年度も選択することができなかった。
このような制約のある中でも、令和3年中は学校が一斉休校措置をとることがなかったことから、学校現場を訪問して「知的障害を伴う自閉スペクトラム症(ASD)児における対人相互作用の変容」に関する研究を進めた。逆模倣やミラーリングのような介入手法における微笑表出や視線一致に着目して、対人相互作用が質的に変化する過程を検討した。そして、身体運動の媒介や共有が重要な役割を果たす可能性について考察した。身体運動活動は、ストレスの緩和や抑うつの寛解にも効果があることが臨床心理学的研究において知られており、本研究でもストレスや抑うつと関連の見られる「こだわり」と「過敏性」の低下を認めた。この研究成果は『臨床発達心理実践研究』に研究論文として投稿され、現在査読を受けている途上にある。今後、さらに考察を深めていきつつ、診断前支援段階における早期社会接続に関する介入手法として、保育所・幼稚園において社会実装が可能かどうかを検証していく。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K20844
ID情報
  • 課題番号 : 20K20844
  • 体系的課題番号 : JP20K20844

この研究課題の成果一覧

論文

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