MISC

2002年

パイナップル果実の収穫後の呼吸、エチレン生成および果皮色の変化に及ぼす1-メチルシクロプロペン(1-MCP)の影響(共著)

日本食品保蔵科学会誌
  • 塩見 慎次郎
  • ,
  • 丁野 久美
  • ,
  • 西川 美穂
  • ,
  • 岡部 真美
  • ,
  • 中村 怜之輔

28(5), 235-241
5
開始ページ
235
終了ページ
241
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.5891/jafps.28.235
出版者・発行元
日本食品保蔵科学会

パイナップル果実の収穫後のガス代謝および果皮色の変化に対するエチレンの関与について, エチレンの作用阻害剤である1-メチルシクロプロペン (1-MCP) を用いて調べた。緑熟段階で収穫した果実の炭酸ガス排出量およびエチレン生成量は貯蔵中に上昇し, 末期上昇型パターンを示したが, エチレン生成量は最大でも1nl g-1 h-1に達しなかった。1-MCP処理によって呼吸量は減少し, エチレン生成量は一時的に上昇した。プロピレン処理は呼吸を一時的に増加させたが, エチレン生成を促進しなかった。果実をクラウンと果実部に分けてガス代謝を調べたところ, 末期上昇パターンはクラウンではなく, 果実部に依存していた。未熟果・緑熟果・適熟果に1-MCP処理を複数回行うと, いずれの熟度においても処理直後にエチレン生成が一時的に促進された。呼吸およびエチレン生成は樹上で発育に伴って増加し, 収穫後も増加し続けた。果皮の着色は収穫熟度に関係なく進行したが, 未熟果になるほど1-MCP処理によってその進行が遅延した。以上より, パイナップル果実のエチレン生成はエチレンによるネガティブフィードバック調節 (自動抑制作用) を受けること, 果皮色の変化にエチレンが関与しているごとが示され, 収穫後のガス代謝や果皮色の変化が樹上での変化と同様であることからパイナップルは少なくとも一部追熟性をもつことが明らかになった。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.5891/jafps.28.235
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/10012598274
CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AA11178236
URL
http://id.ndl.go.jp/bib/6333425
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http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010660653 本文へのリンクあり
URL
https://jlc.jst.go.jp/DN/JALC/00386562772?from=CiNii
ID情報
  • DOI : 10.5891/jafps.28.235
  • ISSN : 1344-1213
  • CiNii Articles ID : 10012598274
  • CiNii Books ID : AA11178236

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