共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

組織ミトコンドリア機能に対するリハビリテーション運動療法の有効性の機序解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
20H04054
体系的課題番号
JP20H04054
配分額
(総額)
17,680,000円
(直接経費)
13,600,000円
(間接経費)
4,080,000円

高フルクトース(HFr)摂取は、高インスリン血症・高トリグセライド血症・高尿酸血症・高血圧等のメタボリックシンドロームを惹起する。長期的運動による臓器障害抑制効果の機序を解明するため、高血圧・臓器障害を食塩感受性に発症するDahl食塩感受性(DS)ラットおよび食塩抵抗性(DR)ラットにHFr摂取させ、長期的運動による血圧・腎機能・腎組織像への影響を検討した。 雄性DSラットとDRラットに通常食餌もしくは60%HFr食餌を12週間投与後、 血液・尿パラメータ、腎組織像およびレニン-アンジオテンシン系(RAS)コンポーネントの腎内発現を検討し、さらに、有酸素運動レベルのトレッドミル運動を実施し、長期的運動の効果を検討した。HFrは両系ラットにおいてメタボリックシンドロームを発症させ、血圧上昇、アルブミン尿、糸球体過剰濾過、糸球体硬化、糸球体上皮障害、輸入細動脈肥厚、腎間質線維化を惹起し、それらの変化はDSラットにおいて増強していた。両系ラットにおいてHFrはアンジオテンシノーゲン、レニン、(プロ)レニン受容体、アンジオテンシン変換酵素およびアンジオテンシンIIタイプ1受容体の腎内発現を増加させ、それらの変化もDSラットで増強していた。このHFr誘発性の腎障害はRAS阻害薬や利尿薬で軽減する一方、血管拡張薬では改善しないことから、食塩および腎内RAS依存性であることが示された。また、DSラットにおいて、長期的運動はHFr誘発性の高血圧、アルブミン尿、糸球体過剰濾過、腎障害・線維化を軽減し、腎内RASコンポーネント発現や脂肪酸代謝を改善した。これらの結果から、DSラットにおいて、HFr誘発性の高血圧と腎障害・線維化は腎内RASコンポーネントの増加を伴って増強しており、長期的運動はHFr誘発性の高血圧や腎障害をRAS阻害薬と同様に抑制できることが明らかになった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H04054
ID情報
  • 課題番号 : 20H04054
  • 体系的課題番号 : JP20H04054