共同研究・競争的資金等の研究課題

2001年 - 2002年

前立腺癌に対するBc1-2アンチセンス併用放射線治療の確立

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
13671674
体系的課題番号
JP13671674
配分額
(総額)
3,300,000円
(直接経費)
3,300,000円

前立腺癌由来樹立細胞株PC-3およびJCA-1細胞においてbcl-2 antisense oligonucleotide (bcl-2 AS ODN)は濃度依存性に抗腫瘍効果およびアポトーシスを誘導し、Bc1-2蛋白の発現を抑制した。bcl-2 AS ODNを併用したときの放射線治療による抗腫瘍効果の増強をcolony forming assayを用いて検討したところ、bcl-2 AS ODNはbcl-2 S ODNやcationic lipidに比べて、1Gyの放射線治療による平均colony数を有意に抑制した(colony数:26.5vs38.0、66.7)。また2Gyの放射線治療併用でのcolony数はそれぞれ16.2、31.4、52.0でありbc1-2 AS ODNは放射線治療の抗腫瘍効果を増強することが示された。
Diethylstilbestrol (DES)はPC-3細胞に対して濃度依存性の細胞障害活性ならびに細胞内活性酸素(ROS)を誘導した。Buthionine sulfoximine (BSO)は細胞内glutathione濃度を有意に低下させDESの細胞障害活性ならびにDESによる細胞内ROS誘導能を有意に増強させた。bcl-2 AS ODNはDESにより誘導される殺細胞効果ならびにアポトーシスを有意に増強したが細胞内のglutathione濃度やDESによるROS誘導能に変化を与えなかった。
以上の結果より、PC-3細胞においてBSOはDESで誘導される抗腫瘍効果やROSの産生を増強することが示された。一方、bcl-2 AS ODNはPC-3細胞内のglutathione濃度やROS産生量に有意な影響を及ぼすことなく,アポトーシスを介する機序によりDESで誘導される抗腫瘍効果を増強することが示された。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-13671674
ID情報
  • 課題番号 : 13671674
  • 体系的課題番号 : JP13671674