2020年4月 - 2025年3月
アミノ酸置換による安定性・機能変化評価計算システムの構築と応用
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
これまで、蛋白質の分子シミュレーションに関して、物理化学の理論に基づく方法論の開発を行ってきた。本研究課題では、これら手法の開発を継続するとともに環状ペプチドや膜蛋白質系に関しての機能メカニズムを理解するための理論的な基盤の構築を行う。開発した方法を駆使して、アミノ酸置換により蛋白質やペプチドのデザインを行う。
10残基のシニョリンに関しては、いくつかの変異体のNMR実験をして、構造解析を行った。T8P変異体に関しては準安定構造が得られたが、他の変異体では天然構造をサポートするスペクトルが得られた。NMRで天然構造と準安定構造が共存するスペクトルが得られていないか考察したが、これを示す結果は得られなかった。分子シミュレーションは準安定構造が出やすいことがわかった。使用していた力場の問題の可能性があるので、力場を変えて分子シミュレーションを行った。今後、いくつかの力場を用いたシミュレーションを行い、力場の評価を行う。
環状ペプチド系では、複合体のシミュレーションを実施して、環状ペプチドが蛋白質に結合する機構について調べた。結合能が高いペプチドは、ペプチド自身の構造が安定で揺らぎが少なく、蛋白質とは電荷による相互作用で安定に相互作用していることがわかった。
膜蛋白質系では、大規模なデータの解析を行い興味深い結果が得られたので、結果を論文化した。Supplementary Coverに選出された。また、3D-RISM理論を用いて溶媒効果を取り入れた膜蛋白質の安定性評価システム構築を行った。膜蛋白質系は膜中に埋もれているため、膜と接触している部分と水溶媒と接触している部分があり、安定性を見積もるのが難しい。共同研究者の丸山博士は3D-RISM理論を用いた原子分割法を用いて、膜蛋白質の溶媒和自由エネルギーおよび膜との相互作用を見積もる手法を構築した。
10残基のシニョリンに関しては、いくつかの変異体のNMR実験をして、構造解析を行った。T8P変異体に関しては準安定構造が得られたが、他の変異体では天然構造をサポートするスペクトルが得られた。NMRで天然構造と準安定構造が共存するスペクトルが得られていないか考察したが、これを示す結果は得られなかった。分子シミュレーションは準安定構造が出やすいことがわかった。使用していた力場の問題の可能性があるので、力場を変えて分子シミュレーションを行った。今後、いくつかの力場を用いたシミュレーションを行い、力場の評価を行う。
環状ペプチド系では、複合体のシミュレーションを実施して、環状ペプチドが蛋白質に結合する機構について調べた。結合能が高いペプチドは、ペプチド自身の構造が安定で揺らぎが少なく、蛋白質とは電荷による相互作用で安定に相互作用していることがわかった。
膜蛋白質系では、大規模なデータの解析を行い興味深い結果が得られたので、結果を論文化した。Supplementary Coverに選出された。また、3D-RISM理論を用いて溶媒効果を取り入れた膜蛋白質の安定性評価システム構築を行った。膜蛋白質系は膜中に埋もれているため、膜と接触している部分と水溶媒と接触している部分があり、安定性を見積もるのが難しい。共同研究者の丸山博士は3D-RISM理論を用いた原子分割法を用いて、膜蛋白質の溶媒和自由エネルギーおよび膜との相互作用を見積もる手法を構築した。
- ID情報
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- 課題番号 : 20H03230
- 体系的課題番号 : JP20H03230