共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年7月 - 2024年3月

土中気泡のローラー・コロ化による土砂流動の促進メカニズムの提案

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)  挑戦的研究(萌芽)

課題番号
21K18741
体系的課題番号
JP21K18741
配分額
(総額)
6,240,000円
(直接経費)
4,800,000円
(間接経費)
1,440,000円

本研究では,地震や豪雨災害時の長距離土砂が流動するメカニズムについて,流動化処理土や高流動コンクリートで考慮されている供試体中の気泡(間隙空気)のベアリング効果を検討するため不飽和土中の間隙水,間隙空気の挙動に着目した研究を行う.
不飽和土中の間隙空気(気泡)の挙動について,要素せん断試験を用いてせん断強度への効果を観察し,従来,毛管張力の効果によりせん断抵抗が増加するとされてきた間隙空気が,一方で,コンクリート工学分野においてベアリング効果と呼ばれ流動性を増す,即ち,せん断抵抗を低下させる効果を発揮するという事実に基づき,土中内でもその効果を発揮するか調べる。さらにその挙動が観察できた場合,理論的に説明するため数値実験や数値シミュレーションによる再現を試みる.
2021年度は,研究初年度として従来から申請者が実施していた不飽和土の静的せん断,繰返しせん断挙動の観察を行うための不飽和静的/繰返しせん断試験を宇都宮大学にて実施するとともに,比較として流動化処理土のフロー試験や強度試験を行った.
土中の間隙水,間隙空気の状態を変化させた供試体作製方法の検討を行い,それら供試体を用いて要素試験を行い,それを観察した.いくつかの要素試験の結果,同一飽和度であっても間隙空気や間隙水の状態によって強度が大きく異なる結果が得られた.また,繰返しせん断によって間隙水圧,間隙空気圧が等しい値に至り,そのまま全応力まで上昇する(すなわち有効応力がゼロに至る)挙動についての数値モデルによる再現を試みた.
得られた実験結果や知見をもとに,2022年度も引き続き,3次元個別要素法による数値実験(東北大学)や不飽和土の構成モデル(横浜国大学)の改良を試みる.なお,不飽和土の繰返しせん断試験への解析検討や各試験結果は,2022年度に所属学会の研究発表会やシンポジウム等で発表予定である.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K18741
ID情報
  • 課題番号 : 21K18741
  • 体系的課題番号 : JP21K18741

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