2014年7月
難聴研究の新展開 内リンパ嚢の水・イオン輸送の分子機構
脳21
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- 巻
- 17
- 号
- 3
- 開始ページ
- 278-283
- 終了ページ
- 283
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (株)金芳堂
内リンパ嚢は正常な内耳機能保持に重要な内リンパ系の恒常性維持に大きな役割をしているが、最近の知見に基づき、内リンパ嚢における水・イオン輸送の分子機構につき概説した。蝸牛および前庭半規管内リンパでは聴覚平衡機能保持にK+輸送が大きな役割を持っているが、内リンパ嚢内リンパでは内リンパ量保持のためNa+輸送が重要である。内リンパ嚢で内リンパ吸収に大きな役割を持っていると考えられるのは中間部に存在するmitochondria-rich cellであり、内リンパ量を一定に保つのに充分なNa+、K+-ATPase活性を有していることが報告されている。内リンパ嚢上皮細胞頂側には各種イオンチャネル(non-selective cation channel、epithelial sodium channel)、各種イオン輸送体(Na+-K+-2Cl-cotransporter-2、thiazide-sensitive Na+-Cl-cotransporter、pendrin、Na+-H+ exchanger)、H+-ATPaseが局在し、また上皮細胞基底外側にはNa+、K+-ATPase、K+channel(outward K+rectifier)、Cl--HCO3- exchangerが存在し、活発なNa+輸送に関与していると考えられる。(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 1344-0128
- ISBN : 9784765316101
- 医中誌Web ID : 2014354417