Works(作品等)

2013年9月

Uhrf1はヒストンH3の23番目のリジン残基のユビキチン化を介しDNA複製と共役した維持DNAメチル化を制御する

  • 西山 敦哉

作品分類
その他
発表場所
ライフサイエンス 新着論文レビュー

要 約

DNAメチル化はクロマチンの構造制御を介し,転写の制御,発生および分化,ゲノムの安定性の維持に重要な役割をはたす.DNA複製にともないはたらくDNA維持メチル化酵素Dnmt1は,DNA複製ののちに生じたヘミメチル化DNAと特異的に結合するUhrf1に依存してDNAメチル化部位に集積するが,その詳細な分子機構は不明であった.筆者らは,アフリカツメガエルの卵に由来する無細胞系を用いて維持DNAメチル化の過程を試験管内で再現し生化学的な解析を行った.その結果,Uhrf1はDNA複製に依存してヒストンH3の23番目のリジン残基をユビキチン化すること,また,ユビキチン化されたヒストンH3はDnmt1と直接に相互作用することにより,DNAメチル化部位へのDnmt1の集積において重要な役割をはたすことを見い出した.ヒトやマウスの細胞においても同様の結果が得られ,ヒストンH3のユビキチン化を介した維持DNAメチル化の制御が進化的に保存された分子機構であることが示された.

リンク情報
URL
http://first.lifesciencedb.jp/archives/7658