共同研究・競争的資金等の研究課題

2003年

草木類ヘミセルロースの化学構造の解明


資金種別
競争的資金

木材やイネ科植物中に含まれるキシランの化学構造はそれぞれ異なっています。
キシランの還元性末端にはXyl-Xyl-Rha-Gal-Xylという糖鎖があります。最近の研究では、この糖鎖がキシランの生合成に大きな意味をもつことが報告されています。当研究室では、この構造がシラカバ、スプルース、ユーカリ、ケナフに存在することを明らかにしてきましたが、この構造がキシランの普遍的構造であるのかどうかを調べています。
また、針葉樹キシランでは4-O-Me-グルキュロン酸側鎖が広葉樹キシランより2倍あり、スプルースやカラマツキシランではこの側鎖の多くが隣接キシロース残基に結合していることを以前に明らかにしているのですが、この側鎖の分布構造が針葉樹キシランの普遍的構造であるのかどうかも課題になっています。
また、最近では、ユーカリキシランの4-O-Me-グルキュロン酸側鎖のC-2にガラクトースやグルコースがグリコシド結合している構造が報告されています。われわれもユーカリキシランの酵素加水分解物から酸性オリゴ糖Gal-(4-O-Me-GlcA)-Xyl-Xylを単離し、この構造を確認しましたが、これに関してはさらに研究を進めていきたいと思っています。