基本情報

所属
滋賀県立大学
学位
博士(人間・環境学)(京都大学)

研究者番号
20275168
J-GLOBAL ID
200901060205199560
researchmap会員ID
5000067621

研究課題(研究概要)  ガラスは緩和過程にある。すなわち、常に準安定な状態にあるといってよい。曖昧な状態にあるガラスの機械的な性質を科学的に体系化することが究極の目的である。  一方、新規な機能を有するガラスを実用化へと導くためには、それらの機械的・熱的性質といった基本的物性を明らかにするとともに,その製造プロセスを高度化することが必要である。具体的な研究方針を以下に示した。 1.ガラスの変形・破壊特性に及ぼす環境の効果、ガラスの構成原子の効果 2.ガラス製造プロセスの高度化に資する高温ガラス融体の諸物性の評価 3.新規機能性ガラスの作製とそれらの機械的・熱的耐久性 研究業績等(概要) ・ガラスの耐損傷性および疲労特性の評価  ビッカース圧子やヌープ圧子を用いた硬さ試験において、押し込みによる高密度化と塑性変形の比率が、ガラス組成に依存することを初めて示した。  ガラスの平滑な表面におけるクラックの生じ易さについて、スクラッチ試験によるクラック生成荷重に着目して評価を行い、クラック生成荷重がガラスの脆さの指標となることを初めて示した。  ガラスの応力腐食現象を簡便且つ定量的に評価する手法として、小孔を有する角柱試験片に圧縮応力を負荷して破壊する方法を提案した。さらに、応力波フラクトグラフィーの手法を組み合わせて破断後の破面観察から亀裂速度を評価する方法や、小試験片への応用について報告した。これらにより、各種ガラスの臨界応力以下の疲労現象をそのガラス構造の違いに基づき考察した。 ・ガラス薄膜の光学的特性の評価 ガラス薄膜を気相状態から合成する方法の一つであるスパッタリング法を用いて、新規な光機能性薄膜を作製し、その光学的性質を評価してきた。この手法により、ナノサイズの半導体微結晶をガラス薄膜中に析出させ、それらが量子サイズ効果を示すことを報告した。

研究キーワード

  3

論文

  39

MISC

  6

書籍等出版物

  2

講演・口頭発表等

  20

共同研究・競争的資金等の研究課題

  2