共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2024年3月

繊維状の導電性高分子を用いた生体情報モニタリング用スマートウェアの開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
21K12003
体系的課題番号
JP21K12003
配分額
(総額)
4,030,000円
(直接経費)
3,100,000円
(間接経費)
930,000円

本研究は、着衣のみで人の生体電気信号と動作の情報をモニタリング可能なスマートウェアの開発を目的としている。
2021年度は、スマートウェアの動作モニタリング機能の実用性について検証を行った。動作モニタリング用スマートウェアに取り付けるIPMCは、関節の屈曲伸展運動に耐えられる強度と柔軟性を両立させるために、厚さを100μmとした。厚さ100μmのIPMCを細く裁断して繊維状に成形し、ネット包帯の網目に通すことで擬似的にIPMCを編み込んだ状態にして動作モニタリング用スマートウェアを作製した。作製したスマートウェアを人の関節を模擬した計測装置に取り付け、任意の角度に屈曲させたときの出力電圧を計測した。
スマートウェアの出力電圧は屈曲角度に対して、ほぼ比例する結果となったことから、出力電圧から屈曲角度を推定するセンサとしての実用性が明らかになった。また、スマートウェアを湿潤させた状態で乾燥時と同様の計測を行った結果、スマートウェアが水に濡れた状態でも、乾燥状態と同様に屈曲角度に比例する結果が得られた。
湿潤したIPMCの出力電圧は、乾燥したIPMCと比較して大きくなる傾向があり、ばらつきも大きくなる傾向があった。以上の結果から、IPMCは水の多い環境でも計測可能であることが明らかになったが、乾燥時とは出力特性が異なることから、汗を多くかいている時や、雨で濡れた時のように、水の多い環境での計測時には、出力に補正が必要な事が明らかになった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K12003
ID情報
  • 課題番号 : 21K12003
  • 体系的課題番号 : JP21K12003