2001年
ブナ・ミズナラの開芽・開葉に与える晩霜の影響
森林立地
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- 巻
- 43
- 号
- 2
- 開始ページ
- 75
- 終了ページ
- 82
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.18922/jjfe.43.2_75
- 出版者・発行元
- 森林立地学会
筑波大学演習林が所在する,八ヶ岳東山麓の野辺山ケ原は冷温帯性ミズナラを主体とした,天然生広葉樹二次林が分布している。また,カンバ類が良く発達し混生林を構成しているが,本地にはブナの自生地が確認されていない。この原因解明のため,ブナ・ミズナラの開芽時期と晩霜が発生する時期について,1993年から1998年の6年間に渡って調査した。ブナの開芽は5月2日〜5月24日の間に起こり,開芽期間に22日間の差が認められた。一方,ミズナラの開芽は5月11日〜5月31日の間に起こり,開芽時期に20日間の差が認められ,平均9日(7日〜14日)ブナより遅いことが確認された。開芽日の日平均気温は,ブナで10〜13℃およびミズナラで11〜12℃,また,積算温度(6年間の平均値)も算出した。調査年により晩霜は5月9日〜5月28日の間に発生した。この晩霜発生期間は,ブナの開芽および開葉後にあたりそれが原因でブナの葉の枯死および枯死木も発生した。一方,ミズナラでは晩霜を受けない年もあったが,晩霜を受けても開芽直後および開葉後の葉には可視被害は殆ど認められなかった。このような両樹種の樹種特性の差が分布を規定しているものと推論された。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.18922/jjfe.43.2_75
- ISSN : 0388-8673
- CiNii Articles ID : 110007088884
- CiNii Books ID : AN00124077