共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年6月 - 2022年3月

高齢者の医療事故を自動予測する電子カルテシステムの開発-ディープラーニングの応用

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)  挑戦的研究(萌芽)

課題番号
19K22771
体系的課題番号
JP19K22771
配分額
(総額)
6,240,000円
(直接経費)
4,800,000円
(間接経費)
1,440,000円

超高齢社会を迎え、病院内では、フレイルやせん妄等を背景とした転倒・転落、ドレーンや点滴類の自己抜去などの医療事故が多発している。これらによる身体状況の悪化は時として深刻な転帰をとり、骨折は寝たきりの最大の要因である。医療事故が発生すると、医療者は、患者の処置など多くの労力を費やすことになり深刻な負担となっている。
以上のような背景から、医療事故を予測するチェックシート等が開発されているが、精度は不十分で、実用には程遠い。例えば、メタ解析により転倒予測に関して最も高精度であることが示されたSTRATIFYスケールは、感度0.63、特異度0.71にとどまっている(Metarese M et al, J Advancing Nursing 2014)。
せん妄については、感染、電解質異常等に加え、向精神薬、オピオイド等の薬剤などが原因となる。一方、先行研究においては、個々の要因が医療事故やせん妄発現に寄与するオッズ比を算出することは可能であるが、多くの変数を組み合わせて高い精度で予測することは不可能であった。以上のような背景のなかで、申請者は、ディープラーニングに着目した。本研究では、患者の血液・生化学、バイタルデータなど電子カルテに含まれる膨大な患者情報をディープラーニングを用いて解析し、世界にさきがけ、高齢者の医療事故防止および医療者の負担軽減に資する自動予測システムを開発することも目的とする。
研究開始年度である2019年度には、病院執行部の研究実施の許可を得て、各部門の長が集まる会議で、研究の内容を紹介し、データの利用について許可を得た。
また当該医療機関の所属する地域の条例などに照らし合わせ、電子カルテのデータの抽出方法や抽出したデータの管理方法などを決定した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K22771
ID情報
  • 課題番号 : 19K22771
  • 体系的課題番号 : JP19K22771