共同研究・競争的資金等の研究課題

2015年5月 - 2020年3月

2次元画像比較を駆使した超高磁場リコネクションの巨大加熱・加速の解明と応用開拓

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(S)  基盤研究(S)

課題番号
15H05750
体系的課題番号
JP15H05750
配分額
(総額)
200,070,000円
(直接経費)
153,900,000円
(間接経費)
46,170,000円

中間審査で指摘のあった高磁場化による高イオン温度化を遂行し,0.3Tの再結合磁場で2.3keVを達成して結合磁場の2乗に比例するリコネクションのイオン加熱則をkeV領域で実証した。その上でより本質的な指標:加熱パワーが損失パワーを2桁上回る状況を確保しつつ,リコネクション加熱・加速機構の解明を進めた。
1)リコネクションのイオン加熱が予想以上に巨視的である原因はアウトフロー中で先行する電子が合体するトカマクの裏側まで先回りして負電位域を広く形成するためであった。PICシミュレーションも従来の局所スラブモデルを磁束管合体モデルに変えると一致し,リコネクション加熱は局所でなく,巨視的現象と判明した。X点周辺を模擬する従来の実験は負電位域が壁に達し,加熱の検証は困難なため,合体実験の正当性が証明できた。
2)電子温度は,X点周辺とセパラトリクス上で鋭くピークし,予想を超えた局所加熱が2次元X線計測・トムソン散乱計測で明らかになった。X点のピークはリコネクション電場による電子のサイクロトン加速に起因する。PICの協力により,2個の合体トカマクの電流ループとシート電流のループが接近すると二流体不安定を生じて高温領域が局在化するためと判明した。セパラトリクス上は高エネルギー領域が複数確認され,波乗り加速が有力である。
3)入射角度可変の中性粒子ビーム入射装置による高速イオンでイオン軌道を制御すると,リコネクション速度が低下する現象が見られ,リコネクション制御に初めて成功した。
4)PICは磁束管合体の巨視的シミュレーションに成功したことで1)2)で実験との一致がみられ,太陽衛星観測もX線に加えイオンドップラー計測が実験と共通の2次元計測となり,1)2)に加えて,電流シート中で多数形成が観測されたBlobとその合体がよく一致し,実験,観測,理論・シミュレーションの間で共通の物理解釈が進んだ。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-15H05750/15H05750_saitaku_gaiyo_ja.pdf
URL
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-15H05750/15H05750_saitaku_shoken_ja.pdf
URL
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-15H05750/15H05750_kenkyu_shinchoku_hyoka_gaiyo_ja.pdf
URL
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-15H05750/15H05750_kenkyu_shinchoku_hyoka_keka_ja.pdf
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-15H05750
ID情報
  • 課題番号 : 15H05750
  • 体系的課題番号 : JP15H05750