共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

SDAモデルに基づき設計した部分フッ素化人工脂質/膜タンパク質複合体の開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K06568
体系的課題番号
JP18K06568
配分額
(総額)
3,250,000円
(直接経費)
2,500,000円
(間接経費)
750,000円

人工脂質のフッ素化は、物理的・化学的な安定性を付与し、膜タンパク質の組み込みにも有用であることを示してきた。人工脂質/膜タンパク質複合体構築に向けた高配向秩序で適度な膜流動性を有する人工脂質膜を、多重積層アレー双極子(SDA)モデルに基づき設計した部分フッ素化人工脂質を開発する。
ペルフルオロへプチル(F(CF2)7)基を有するジミリストイルホスファチジルコリン(F7-DMPC)の合成において、従来のFn-DMPC(nが偶数)の合成時と同様の全合成を試みたところ、物性測定などを行う上で十分な量(グラムスケール)の合成には成功した。しかしながら、最終生成物の高純度化において収率の低下が生じたことより、高純度化手法(高速液体クロマトグラフィー(HPLC)やゲル浸透クロマトグラフィー(GPC))の精製条件の最適化が必要であることが分かった。
一方、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)にペルフルオロアルキル(F(CF2)n)基を導入したFn-DPPC群の合成において、nが6以上のFn-DPPC群の物性測定を行う上で必要な量を確保出来ず、詳細な物性評価を行えない状況にあった。Fn-DPPC群の合成経路を再検討し、出発原料の変更、各ステップの合成条件および精製条件の最適化を行うことで、Fn-DPPC群のグラムスケール合成経路を見出すことに成功した。また、部分フッ素化脂質(F7-DMPCおよびFn-DPPC群)を用いた再構成膜の評価用モデル膜タンパク質としてバクテリオロドプシン(bR)などの大量調製を行い、随時調製可能な状態で保管(冷暗所)した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K06568
ID情報
  • 課題番号 : 18K06568
  • 体系的課題番号 : JP18K06568