2020年4月 - 2023年3月
芽殖孤虫の増殖・分裂および転移機序の解明と新規治療法の開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
芽殖孤虫症の極めて高い悪性度は、孤虫(幼条虫)による人体内でのあらゆる臓器における無秩序な増殖と転移、および既存の抗寄生虫薬の無効果性に起因している。令和3年度では以下の研究を遂行した。
1)孤虫のミトコンドリア酵素活性の測定と酵素活性阻害剤の選定。寄生虫のミトコンドリア酵素活性を研究するグループのメンバーとの共同研究で、孤虫における合計9種類の好気的および嫌気的呼吸鎖の酵素活性を定量し、概ね各活性はエキノコックスのそれに類似することを確認した。エキノコックスは幼条虫がヒト体内で無性的に増殖、転移する点で孤虫に酷似する。その活性結果に基づいて2種類の阻害剤を選定した。一つは抗がん剤として有用性のある薬剤として報告されており、これら阻害剤は治療薬となる可能性が高い。
2)抗孤虫ウサギ抗体が認識する物質の組織学的検索。孤虫の可溶性成分を投与したウサギより回収した血清中の抗孤虫抗体が認識する物質を孤虫および感染マウスの組織切片上で検索した。その結果、抗孤虫ウサギ抗体は孤虫の外皮と体内の一部にのみ反応した。興味深いことに、この抗体はマウスの血液成分の一部とも反応した。
1)孤虫のミトコンドリア酵素活性の測定と酵素活性阻害剤の選定。寄生虫のミトコンドリア酵素活性を研究するグループのメンバーとの共同研究で、孤虫における合計9種類の好気的および嫌気的呼吸鎖の酵素活性を定量し、概ね各活性はエキノコックスのそれに類似することを確認した。エキノコックスは幼条虫がヒト体内で無性的に増殖、転移する点で孤虫に酷似する。その活性結果に基づいて2種類の阻害剤を選定した。一つは抗がん剤として有用性のある薬剤として報告されており、これら阻害剤は治療薬となる可能性が高い。
2)抗孤虫ウサギ抗体が認識する物質の組織学的検索。孤虫の可溶性成分を投与したウサギより回収した血清中の抗孤虫抗体が認識する物質を孤虫および感染マウスの組織切片上で検索した。その結果、抗孤虫ウサギ抗体は孤虫の外皮と体内の一部にのみ反応した。興味深いことに、この抗体はマウスの血液成分の一部とも反応した。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K07468
- 体系的課題番号 : JP20K07468