共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2024年3月

ゲルマン語類型論から見たドイツ語の新しい構造記述

日本学術振興会  科学研究費補助金・基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K00540
体系的課題番号
JP19K00540
担当区分
研究代表者
資金種別
競争的資金

研究3年目にあたって、図書 (共著)1点、論文 (単著) 4点を刊行し、研究発表1件を主として主としてドイツ語の形態統語論的特徴から出発し、ゲルマン諸語との比較を扱ったものである。
まず、論文「ドイツ語から見たゲルマン語 (5)―人称代名詞―」では、古ゲルマン諸語の人称代名詞の形態論的特徴を概観し、その後の変遷を経て現代ゲルマン諸語に至った過程を多数の関連諸言語および諸方言をもとに、実証的に跡づけた。これに続く論文「ドイツ語から見たゲルマン語 (6)―3人称代名詞、再帰代名詞、所有代名詞―」は、上記の論文からとくに問題点の多い3つのテーマを選び、現代ゲルマン諸語とはかなり異なる古ゲルマン諸語の3人称代名詞と指示代名詞の関係、1/2人称代名詞と共通の無性代名詞としての3人称特有の再帰代名詞が示す特異性、所有代名詞と代名詞属格および所有形容詞との関係について、ゲルマン祖語の推定形も考慮に入れながら考察した。さらに、論文「ドイツ語から見たゲルマン語 (7)-2人称代名詞と関連表現―」では、文学作品から用例を多数引用し、新機軸として韻文および歌曲の分析を取り入れた。とくに歌曲の分析に際しては、文献資料では論証しにくい韻律の影響を検証することにつながった。また、日本アイスランド学会事務局の求めに応じて、同学会の創設者の一人であり、アイスランド政府から同国最高の栄誉である鷹勲章を受勲された谷口幸男先生のご逝去に際して、中世アイスランドを中心とした先生のゲルマン語文献学の業績について、その意義をたどって論述した。
著『『世界の公用語事』』では、オランダ語の項を執筆し、同言語に対する一般読者の関心を高める社会貢献を行った。
最後に、研究発表「ドイツ語とゲルマン語の2人称表現―歌曲と詩の分析を交えて」は、上記の論文の1つの内容に基づいて、音声資料を交えて行ったものである。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K00540
ID情報
  • 課題番号 : 19K00540
  • 体系的課題番号 : JP19K00540

この研究課題の成果一覧

論文

  14

書籍等出版物

  3

講演・口頭発表等

  2