その他

2012年4月 - 2012年4月

マガキ幼生および植物プランクトンに対する超音波処理の影響と効果


本研究では、超音波のもつ細胞増殖の促進や病原性細菌の抑制効果といった特性を生かして、三陸沿岸の代表的な養殖種であるマガキ(以下、カキという)の安全・低コスト・高効率な養殖技術の開発を行うことが目的である。具体的には、技術開発の基礎となるカキの成長に対する超音波の効果、異なる振動数・振動時間の超音波を用いたカキに対する病原性細菌の抑制効果、そして赤潮の原因となるプランクトンの制御効果などをベンチスケール試験によって検証する。本研究で検討する装置および養殖技術が完成すれば、超音波の成長促進効果によって養殖期間を大幅に短縮することができ、生産コストや労力の低減化を図ることができる。また、細胞に対する刺激効果からカキの生理機能を亢進して免疫活性を高めること、振動数を変えることにより病原性細菌の増殖を抑制できることから、カキの生存率を高めるとともに品質を向上させることができる。また、赤潮プラントンの増殖を抑制する超音波の特性を生かしてきれいな海の実現に寄与できる。