基本情報

所属
九州大学 工学研究院地球資源システム工学部門 教授 (Prof.)

J-GLOBAL ID
200901056323916652

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鉱物資源およびエネルギー資源は,グローバルな国際商品として流通している一方、賦存地域の偏在や地政学的条件,エネルギー需要増加や地球温暖化問題などの不確定要素を考慮するとき、資源開発技術者の養成は重要度を増している。このような資源開発工学に関連する学部専門教育として、「資源開発生産工学」,「エンジニアリングエコノミー」および「空調・衛生および安全工学」を担当し、資源エンジニアとしての基礎を学べるように努めている。例えば,「資源開発生産工学」においては、鉱物品位・貯留分布から資源賦存量(鉱量あるいは貯留量)の推定手法、掘削・運搬システムなどについて資源開発とその生産技術を取り上げ、生産速度や鉱物・石油などの資源・エネルギー生産設備容量などを具体的な演習課題などで理解度を高め、とくに数値的解析力の修得やデザイン力に配慮した教育を実施している。「空調衛生および安全工学」においては、資源開発技術者としての倫理性を考慮した安全工学および換気・空調衛生システムについての講義を実施している。とくに,資源技術者が担う,資源生産現場の労働環境および安全の確保について,倫理面を含めて修得できるようにしている。また,資源技術者のプロジェクト管理,キャッシュフロー,感度分析手法などの経済性評価に関わる「エンジニアリングエコノミー」を開講している。
大学院修士課程での教育は,経済性評価に基いた資源開発プロジェクトの設計・解析手法の修得を目標としている。
さらに,新たな非在来型の地下鉱物資源の開発においては,厳しい賦存在条件を克服するフロンティア的な研究手法が要求される。現在取り組んでいる資源開発に関わる研究課題テーマとしては,
・二酸化炭素地中貯留(炭層固定化やCO2-EORなど)技術と漏洩モニタリング技術の開発
・メタンハイドレート層からのメタン生産技術
・重質油CO2-EORやオイルサンドの原位置採収技術の開発
・トレーサガス法による地下通気網の計測と流体解析手法の開発
・石炭の発熱・ガス化に関する研究
・オープンピット鉱山の最適化および地質推計の応用
などがある。

従事しているプロジェクト研究は以下のとおりである。

*地球温暖化防止CO2地中貯留ナチュラルアナログテストフィールドプロジェクト
地下数千mを対象とした実貯留層でのCO2拡散・分散試験を実施し,それに関する評価を行うためには数十年~数百年オーダーの研究期間を要する。CO2の貯留やCO2を利用したエネルギー資源開発の評価に関わり,地表から数100mの範囲は地下水の飽和帯から不飽和帯に変化する領域であるため,CO2挙動が未解明であり,これに関する科学的研究がとくに必要とされている。しかしながら,日本においては浅層でのナチュラル・アナログに関わるCO2ガス拡散・溶解に関する研究の必要性は軽視されがちである。本研究で構築される浅層地層のナチュラル・アナログデータベースにより,これまでにない共通のCO2貯留に関わるCO2環境研究フィールドが実現し,共通基盤となる貯留層へのCO2圧入にかかわる環境研究の場と共通の地質データの提供を行う。また,本プロジェクトにより,テストフィールドと基盤的地質データを提供することに伴い先端的ジオサイエンス技術が整備されることになり,貯留層へのCO2圧入に関わる研究プロジェクトを積極的に推進する。

CO2貯留技術に関わる環境経済的研究
地球温暖化問題の解決に向けて,新たな炭素資源学の確立が望まれている。とくに,二酸化炭素の大気中への放出を抑制するため、火力発電所等の大規模発生源から回収したCO2を石炭層に圧入して安定的に固定化(吸着)すると共に、炭層中でCO2と置換した未利用のメタンガスをクリーンエネルギーとして回収する技術開発が必要である。本研究は,CO2貯留技術の推進するため、環境経済的手法による評価を取り入れたシステムについて研究している。

*重質原油の原位置生産手法の開発
カナダやベネズエラなどにおける重質原油の埋蔵量は、中東の軽質原油の埋蔵量にそれぞれ匹敵すると予測されているが,粘性が高く熱的な採油増進法の適用が必要とされている。本研究は,水蒸気攻法、CO2圧入、燃焼法などのIOR技術を適用した生産手法の開発に関わる実験および数値シミュレーションを実施している。

*低品位炭の自然発火防止
低品位炭は今後の化石エネルギーに占める重要度が増加するものの、自然発火性が強く、その対策が必要とされている。本研究では、自然発火現象の把握、数値シミュレーション予測および防止対策について明らかにする。

*水平坑井群を利用した熱刺激・重力分離によるメタンハイドレート層からのメタンガス生産手法の開発
メタンハイドレートは21世紀の国産の天然ガス資源として期待されているクリーエネルギーである。メタンハイドレート堆積層からのガス生産を水平坑井を利用した熱水圧入などの外部からの熱量供給によって実施する場合,その貯留層内部における分解フロントでの熱・物質挙動の把握はガス生産レートを推定する上で重要である。本研究は,模擬ハイドレート層を生成させた貯留層に,水平坑井から熱水または水蒸気を圧入する実験システムによって,ハイドレート層の分解挙動を観察し,分解フロントの移動速度,熱伝達挙動,メタン生産特性などを実験によって明らかにするとともに,フィールドを対象とした生産挙動予測を実施するものである。とくに,実際のフィールドメタンハイドレート層から複数水平坑井群を用いた生産手法と海上熱併給発電設備との統合システムの提言をしている。

主要な委員歴

  45

論文

  210

MISC

  58

書籍等出版物

  10

講演・口頭発表等

  131

主要な担当経験のある科目(授業)

  18

共同研究・競争的資金等の研究課題

  23

産業財産権

  7

社会貢献活動

  2

メディア報道

  2