講演・口頭発表等

2011年

ナノエマルションの調製における界面化学的乳化法の食品系に対する適用

一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
  • 合谷 祥一

記述言語
日本語
会議種別

【目的】本研究の目的は省エネルギーな界面科学的乳化法(D相および液晶乳化法)を利用し、食品系において安定性が高いなど有用な性質を示すナノエマルションを調製しすることである。界面科学的乳化法において、のために、乳化を行う経路の相状態とナノエマルション形成の関係を明らかにするために相図を作成した。次ぎに、糖が相図や乳化に対してどのように影響を与えるかを調べた。<BR>【実験方法】 乳化剤は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(MOPS)、デカグリセリン脂肪酸エステル(DGML)を、糖は、D-フルクトース、D-グルコース、スクロース及びD-マルトースを、食品油には市販のサラダ油を用いた。種々の比率の食品油/MOPS/水溶液を含むスクリュー管瓶をボルテックスミキサーで攪拌後、平衡状態になるまで25℃で静置した。相の決定には偏光板、偏光顕微鏡による観察及びX線小角散乱(SAXS)測定を用いた。乳化剤と水溶液を混合し25℃で一晩静置した後、アンカー型攪拌翼で攪拌しながら油を徐々に滴下し、混合系を調製した。混合系:水=1:3となるように水を加えO/Wエマルションを調製し、レーザー回折式粒度分布測定装置を用い平均粒径を測定した。<BR>【結果】食品油/MOPS/水溶液系では、D相を経由することで平均粒径0.20μmのナノエマルションが調製された。MOPS/水混合系でヘキサゴナル液晶を形成する条件では乳化を試みたがエマルションを調製することができなかった。食品油/DGML/水溶液系において、平均粒径はラメラ液晶の量に依存する傾向があった。ラメラ液晶が最も多くなるように形成して乳化を行うと、平均粒径0.17μmのナノエマルションが得られた。 糖の影響では、水和力の強い糖ほど、より乳化剤含量の低い領域にD相領域を広げる傾向を示した。

リンク情報
URL
http://ci.nii.ac.jp/naid/130006958770