MISC

2015年5月

PLA/AT-3によるペルオキシソーム形成の制御にはPex19pが関与する

脂質生化学研究
  • 宇山 徹
  • ,
  • 渡邊 政博
  • ,
  • 川合 克久
  • ,
  • 河野 望
  • ,
  • 坪井 一人
  • ,
  • 荒木 伸一
  • ,
  • 新井 洋由
  • ,
  • 上田 夏生

57
開始ページ
122
終了ページ
125
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
日本脂質生化学会

Phospholipase A/acyltransferase-3(PLA/AT-3)はH-rev107、AdPLA等とも呼ばれ、ホスホリパーゼA1/A2活性を示す。最近、我々は、PLA/AT-3をHEK293細胞で安定発現させると、ペルオキシソームが特異的に消失することを見出した。ペルオキシソームの形成にはペルオキシン(Pex)と呼ばれるタンパク質群が関与しており、中でもPex19pはペルオキシソーム膜タンパク質の細胞内輸送に関わるシャペロン分子として、ペルオキシソーム膜形成に必須の分子である。そこで本研究では、PLA/AT-3の発現に伴うペルオキシソームの消失が、Pex19pの機能異常によって生じる可能について検討した。PLA/AT-3とPex19pとの結合を免疫沈降法によって解析したところ、両分子の結合が認められた。この結合にはPLA/AT-3のN末端のproline-richドメインとC末端の疎水性ドメインが必要であり、PLA/AT-3の酵素活性には依存しなかった。さらにPLA/AT-3は、Pex19pがPex3pやPex11βpのようなペルオキシソーム膜タンパク質と結合するのを酵素活性依存的に阻害した。これより、PLA/AT-3は新規Pex19p結合タンパク質であり、同分子のシャペロン活性を阻害することでペルオキシソームの形成を負に制御する可能性が示唆された。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0285-1520
  • 医中誌Web ID : 2016026211

エクスポート
BibTeX RIS