2020年4月 - 2024年3月
細菌識別機能を有する超分子ナノ構造体の開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
- 課題番号
- 20H02772
- 体系的課題番号
- JP20H02772
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
-
- (総額)
- 17,810,000円
- (直接経費)
- 13,700,000円
- (間接経費)
- 4,110,000円
- 資金種別
- 競争的資金
我々はこれまでに、蛍光シリカナノ粒子とジピコリルアミン金属錯体の複合体が、黄色ブドウ球菌などの細菌と凝集体を形成し、目視で細菌 を検出できる事を見いだして いる。またポリアミドアミンデンドリマー(樹木状高分子)の表面にフェニルボロン酸を導入したナノ構造体では 、黄色ブドウ球菌と大腸菌とを識別して黄色ブドウ球菌のみを選択的に凝集させることに成功した。本研究では、様々な分子認識部位を導入し た超分子ナノ構造体を開発し、その細菌に対する選択的識別メカニズムを明らかにするとともに、細菌種を簡易・迅速に識別できる新しい検出 ・捕集技術を開発し、研究期間内の実用化を目的とする。2020年度は、1)蛍光型分子認識プローブの開発および超分子ナノ構造体の蛍光・凝集応答機能および細菌識別機能の評価、および2)細菌と超分子ナノ構造体との相互作用観察及び細菌の定量評価技術の開発を行った。
1)については、第四世代PAMAMデンドリマーの表面にフェニルボロン酸と蛍光団ダンシル基を導入し、新たにDan-B-PAMAMを合成した。Dan-B-PAMAMは二種の細菌を認識し、凝集体を形成することを蛍光顕微鏡観察および濁度測定により明らかにした。2)については、Dan-B-PAMAMの蛍光応答を調べ、蛍光は104 CFU/mLの菌濃度でも有意に減少することが分かった。細菌濃度と蛍光減少の線形性には乏しいが、本手法は従来の濁度法と比較して約1000倍の感度向上を達成しており、簡便で高感度な細菌認識法となることを明らかにした。
1)については、第四世代PAMAMデンドリマーの表面にフェニルボロン酸と蛍光団ダンシル基を導入し、新たにDan-B-PAMAMを合成した。Dan-B-PAMAMは二種の細菌を認識し、凝集体を形成することを蛍光顕微鏡観察および濁度測定により明らかにした。2)については、Dan-B-PAMAMの蛍光応答を調べ、蛍光は104 CFU/mLの菌濃度でも有意に減少することが分かった。細菌濃度と蛍光減少の線形性には乏しいが、本手法は従来の濁度法と比較して約1000倍の感度向上を達成しており、簡便で高感度な細菌認識法となることを明らかにした。
- ID情報
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- 課題番号 : 20H02772
- 体系的課題番号 : JP20H02772
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論文
1-
Frontiers of Chemical Science and Engineering 14(1) 53-60 2020年2月 査読有り筆頭著者