2008年
登下校手段に焦点を当てた近隣における児童の空間認知および移動能力に関する研究 : テヘラン市内の典型的3地区の比較
日本建築学会計画系論文集 = Transactions of AIJ. Journal of architecture, planning and environmental engineering
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- 巻
- 号
- 628
- 開始ページ
- 1267
- 終了ページ
- 1274
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- DOI
- 10.3130/aija.73.1267
- 出版者・発行元
- 一般社団法人日本建築学会
この数年テヘラン市内の多くの地区では、児童の登下校時の移動手段が車に依存する傾向にある。本研究は移動手段が児童の空間認知の獲得に及ぼす影響、および日常の近隣空間における移動手段や移動能力との相関を捉えることを目的とした。そのため中高層の集合住宅のある住宅地区(Ekbatan)、格子状の街路形状の発展地区(Kaadj)、有機的に形成された伝統的地区(Zargande)の3地区を比較した。児童の年齢、性別、登下校手段、登下校距離、街路や住区形状などについて、データ収集とスケッチマップを分析した。その結果、児童の登下校の移動手段、近隣における移動と同様に、年齢が児童の空間認知の獲得に重要な影響を与えていることが判明した。また登下校時の空間認知と移動手段に関して、少年の登下校距離の長さや近隣センターにある少女の学校の近さが、相対的部分的に阻害要因となっていることがわかった。更に移動手段は児童の空間認知に重要な影響があることが判明した。すなわち車に乗せられる児童は登下校の旅程の描写が弱いことである。加えて近隣内で許されている移動手段が限定されている児童、両親との同行や車に依存している児童も同様であることが判明した。また相対的にKaadj地区の児童は最も車への依存が高く、Zargande地区の児童は低いことが判明した。交通や治安上問題のKaadj地区の児童の移動手段は最も制限が多く、一方Ekbatanでは移動方法の許容範囲が広いことがわかった。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.3130/aija.73.1267
- ISSN : 1340-4210
- CiNii Articles ID : 110006687345
- CiNii Books ID : AN10438548