2009年12月
超音波診断up to date-PIHにおける母児の血流動態の評価 母体腎動脈および胎盤の血流動態
日本妊娠高血圧学会雑誌
- ,
- ,
- ,
- ,
- ,
- ,
- 巻
- 17
- 号
- 開始ページ
- 73
- 終了ページ
- 78
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 日本妊娠高血圧学会
妊娠高血圧症候群(PIH)管理ガイドラインに則って診断した妊娠22週0日〜39週0日の妊娠高血圧腎症(PE群)12例、正常妊娠(NP群)19例を対象に、母体血流としての腎動脈と頸動脈について検討した。また、PIH管理ガイドラインに則って診断した妊娠24週0日〜34週0日のPIH群10例、子宮内胎児発育不全(FGR群)5例、NP群13例を対象に、胎児胎盤血流としての胎盤内血流を検討した。PE群、NP群の検討ではNP群に比べPE群の平均年齢とBMIが高かった。PE群の検査所見では尿蛋白定量所見が平均3.5g/日であったが他の血液検査では明らかな腎機能障害を示唆する所見はなかった。胎児中大脳動脈のRI、PI値はNP群に比べPE群で低かった。またPIH群、FGR群、NP群の検討では胎盤内血流のvolume histogramの結果、PIH群ではNP群に比べVI、FI、VFIが有意に低く、FGR群ではNP群に比べ平均値は低いものの有意差はなかった。PIHでは母体、胎児、胎児付属物の血管に機能的・器質的変化が出現し、これらが各臓器内血流の超音波ドプラ所見に影響を与えている可能性があった。
- ID情報
-
- ISSN : 1880-3172
- 医中誌Web ID : 2010173864