MISC

2013年

アンギオテンシンII受容体拮抗剤投与が有用であった膀胱尿管逆流7例の報告

日本小児泌尿器科学会
  • 佐々木ひと美
  • ,
  • 平野泰広
  • ,
  • 深見直彦
  • ,
  • 丸山高広
  • ,
  • 日下守
  • ,
  • 石川清仁
  • ,
  • 白木良一
  • ,
  • 星長清隆

22
1
開始ページ
100
終了ページ
103
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
日本小児泌尿器科学会

【目的】膀胱尿管逆流(VesicoUreteralReflux以下VUR)に対する治療目的は、尿路感染の予防と逆流性腎症への進行を防止することである。しかし十分な治療がなされた場合でも逆流性腎症へ進行する症例もある。1990年1月から2010年12月までに当施設で診断、治療、経過観察を施行したVUR129例のうち、高血圧または蛋白尿を指摘され同期間にアンジオテンシンII受容体拮抗薬(Angiotensin II receptor blocker以下ARB)が投与された7例につき報告する。【結果】症例は男子6例女子1例の計7例で、初診時年齢は生後6ヵ月から7歳(平均3.3歳)で、最終年齢は18歳から25歳(平均20.1歳)であった。逆流の程度はI度2尿管、III度9尿管で両側性は4例で片側性は3例であった。初診時のDMSA腎シンチグラフィーで分腎機能低下、腎瘢痕を全例に認めた。7例中5例は手術にて2例は経過観察中に逆流の消失を認めた。経過観察中、蛋白尿、高血圧が指摘された時期は11歳から19歳(平均15歳)であった。尿蛋白を認めた3例の一日蛋白量は0.52gから0.85gであった。また高血圧を認めた4例の平均血圧は135/79mmHgであった。ARBは13歳から19歳で投与が開始され、平均投与期間は4.8年であった。1例をのぞき高血圧、蛋白尿は軽快し1例は低血圧によるふらつきのため一時的に定期的服用が困難であったがARB減量にて内服を続行している。【結語】小児VURに伴う高血圧、蛋白尿に対してARBを投与した。いずれも高度逆流ではなかったが、DMSA腎シンチグラフィーでは腎瘢痕や腎機能低下を認めた。また逆流消失後の長期経過中にARBを必要としており、1例を除いて治療の効果があることから、長期経過観察の必要性とARBの投与が逆流性腎症に伴う高血圧、蛋白尿に有効であることを示唆する結果であった。(著者抄録)

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ID情報
  • ISSN : 1341-0784
  • 医中誌Web ID : 2013304069

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