講演・口頭発表等

2019年

米粉ゲル・ゾルの特性に及ぼす加水量の影響

日本調理科学会大会研究発表要旨集
  • 中谷 梢
  • ,
  • 吉村 美紀
  • ,
  • 坂本 薫

開催年月日
2019年 - 2019年
記述言語
日本語
会議種別
主催者
日本調理科学会

<p>【目的】米粉は加水・加熱によって米粉ゲルまたは米粉ゾルを形成し,新規食品や離乳食,えん下困難者用食品としての利用が期待できる。米粉利用のための基礎的知見を得るために,米粉ゲル・ゾルの物性へ及ぼす加水量と貯蔵の影響を検討した。</p><p>【方法】配合比率は米粉(以下RF):水(以下 W ) =1:2,1:3,1:4,1:5,1:6,1:7,1:8とし,それぞれ耐熱袋に入れ,スチームコンベクションオーブン(温度100℃, 湿度100%,時間50分間)で加熱した。直径3cm×高さ2cmのガラスリングを並べたステンレス製容器に流し込み,10℃で貯蔵した。調製1・3・5日後のものを試料とし,テクスチャー,動的粘弾性,離水量を測定した。</p><p>【結果および考察】加水量の影響では,加水量の増加に伴いかたさ,凝集性,付着性は小さくなる傾向を示した。動的粘弾性ではRF:W=1:2〜1:8の全てで貯蔵弾性率(以下G')>損失弾性率(以下G'')を示した。1:2はG' が大きく弾性的要素が高くゲルの挙動を示した。貯蔵の影響では,かたさは貯蔵3日後に増加,5日後に減少し,凝集性は5日後に高くなり,付着性は3日後にRF:W=1:2は高くなったが1:8は低くなった。RF:W=1:2と1:5においてG' 及びG''は貯蔵3日後に増加,5日後に減少した。RF:W=1:6〜1:8は,貯蔵日数が長くなるとG' 及びG'' が低くなり粘性的要素を示した。離水量ではRF:W=1:4以上で観察され,加水量の増加と貯蔵日数の経過に伴い増加した。RF:W=1:2〜1:4はゲル,1:6以上ではゾル,1:8は粥状となり,「えん下困難者用食品たる表示の許可基準」に該当し様々な食品への応用が期待できる。</p>

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.11402/ajscs.31.0_131