1992年
施設園芸従事者の労働負担と食物摂取および身体状況の季節変動
日本栄養・食糧学会誌
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- 巻
- 45
- 号
- 6
- 開始ページ
- 495
- 終了ページ
- 506
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.4327/jsnfs.45.495
- 出版者・発行元
- Japan Society of Nutrition and Food Science
施設園芸従事者 (トマト, イチゴ) の労働負担と食物摂取および身体状況について役場職員を対照として収穫期2回, ハウスの片付け期, 定植期の計4回調査を実施した。その結果,<BR>1) 収穫期の主作業時間は男子ではトマト作業者は700分, イチゴ作業者は約841分と長時間で, 片付け期, 定植期には半減した。1日の消費エネルギーは男子ではトマト作業者は年間を通じて2, 500~2, 800kcalであり, イチゴ作業者は収穫期に3,000kcalを越え, 片付け期に低くなり, 定植期に再び高くなる変動がみられた。<BR>2) イチゴ作業者は男女とも他の群より体脂肪率が高く肥満傾向にあり, また血圧も高い傾向にあった。<BR>3) 食物摂取状況では, 男女ともトマト, イチゴ作業者は事務職員より多食傾向にあり, また食塩の摂取も大であった。栄養素等充足率でみると, 男女ともエネルギー, タンパク質, 鉄, V.Aはいずれの時期も所要量を満たしており, とくに男子のイチゴ作業者のエネルギー, タンパク質は摂取過剰の傾向にあった。<BR>4) 1日の摂取エネルギーと消費エネルギーをみると, 男子のトマト, イチゴ作業者は4月の収穫期のみ消費エネルギーが摂取エネルギーより大であり, 1年間を通してみるとエネルギー摂取過多の状態にあると思われた。<BR>5) 体重といくつかの栄養素等充足率, 血圧と食塩摂取量との間に有意の正の相関がみられ, とくに今回対象となったイチゴ作業者の肥満と高血圧傾向には多食と食塩の摂取の関与が大きいと思われた。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.4327/jsnfs.45.495
- ISSN : 0287-3516
- ISSN : 1883-2849
- CiNii Articles ID : 130000853566
- CiNii Books ID : AN00311992