2020年4月 - 2023年3月
回復期における上肢片麻痺患者のためのリハビリロボットの開発とリハビリ効果
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
本研究は片麻痺者の上肢リハビリにおいて,療法士に代わって支援するロボットを開発した.さらに,回復期の長期にわたるリハビリテーションにおいてモチベーションを維持して継続的反復的なリハビリを可能にするためにのソフトウエアを含めたリハビリテーションシステム開発を行うものである.本年度は,VR(Virtual Reality)を用いて上肢の機能改善のための新たなリハビリテーションアプリケーションを構築した。開発しているアプリケーションは秋田大学医学部,付属病院,理工学部,秋田高専,さらに秋田県内の企業との研究会の協力を得て開発している.入手し易いようにゲームに利用されている市販のVR用ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用い,利用環境にも配慮してノートPCクラスで適用できるように開発した.本VR用アプリケションは,脳梗塞等による片麻痺患者を対象にしており,秋田大学医学部付属病院の臨床応用の要求に応えるべく内容のアプリケーションを構築している.VRの技術を用いて,患者は実際に現実のロボットを操作しているが,同時にHMD内の仮想現実のなかでも患者が操作しているロボットが表示され,現実の世界を仮想現実の世界に取り込むことで,ロボット動作の軌跡を映像の中で確認できる.さらに,例えばモグラたたきのようなゲーム性のあるリハビリテーションも可能にし,目標とするアプリケーションの機能は十分に構築できている.また、本研究で開発したアプリケーションは、現在,健常者を対象として、VR酔いの評価およびユーザビリティの評価を実施した。その結果、仮想現実における映像酔いが若干見受けられたが、従来の前面にあるモニターを見ながらのリハビリテーションアプリケーションと比べて、高い興味性および満足度など高いユーザビリティを示した。この成果を国内学会にて1件発表した.
- ID情報
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- 課題番号 : 20K12749
- 体系的課題番号 : JP20K12749