2009年
人口減少地域における在宅終末期療養の諸問題-奧能登の住民に対する意識調査より-
石川看護雑誌
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- 巻
- 6
- 号
- 開始ページ
- 19
- 終了ページ
- 27
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 石川県公立大学法人 石川県立看護大学
本稿は,2007年度に奥能登(珠洲市と能登町)で実施した「死生観と在宅終末期療養についての意識調査」に関する部分報告である.奥能登は全国や石川県全体に比べて自宅死割合の多い地域であったが,近年自宅死割合は急激に減少しつつある.本調査における在宅終末期療養の希望は48%を超えるが,対象地域の自宅死割合は2006年度には11.1%まで減少している.2006年4月から始まった厚生労働省の在宅終末期医療の推進という政策は,奥能登という人口減少が著しい地域ではほとんど成果を見いだすことができない.人口減少地帯においてこれまでの高い在宅死亡率を支えてきたのは「住み慣れた場所で最期を迎えたい」という住民のニーズであり,そうしたニーズを現実化するための阻害要因になっているのは介護負担感と医療不安感である.医療過疎が進行する人口減少地帯では,こうした阻害要因の克服は都市部以上に達成困難な課題であり,財政的にも解決の糸口を見いだせない状況である.特に,訪問看護ステーションの未整備と人手不足,家族や地域文化の衰退が自宅死と在宅終末期療養の低落傾向に拍車をかけている.(著者抄録)
- リンク情報
- ID情報
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- ISSN : 1349-0664
- CiNii Articles ID : 120005615386
- CiNii Books ID : AA11961976