その他

2007年1月 - 2007年1月

モデル生物を利用した宇宙環境バイオドシメータの開発


モデル生物線虫Cエレガンスは、全ゲノム2万遺伝子が既に解読され、その4割はヒトにおいても保存され、細胞複製や発生、筋神経系、減数分裂をはじめとする配偶子形成などの生命基盤の共通性が示唆されている。従って、製薬過程で不可欠な工程の新規化合物の生物影響やその効果、変異原性などを調べることにも利用されはじめている。また、放射線や温度変化など各種のストレスに応答して発現誘導する遺伝子群については、当研究室をはじめ国内外の研究室で、マイクロアレイによる網羅的な解析がなされている。そこで本研究では、これまで物理的な方法に委ねられてきた宇宙放射線の測定において、生きた線虫試料や大腸菌などを用いて、微小重力など複合的な宇宙環境の要素による生物影響も加味することができるバイオドシメータを開発し、最終的には国際宇宙ステーションなどで放射線の環境バイオモニタリングシステムとして構築することを研究目的とする。