共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2023年3月

イネ冷害におけるエピジェネティックな制御機構の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
18H03947
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
43,810,000円
(直接経費)
33,700,000円
(間接経費)
10,110,000円
資金種別
競争的資金

イネの低温障害(冷害)は、地球規模での温暖化とそれに伴う異常気象の影響により、今尚発生リスクが懸念されるが、その本質的なメカニズム解明には至っていない。本研究では、イネの冷害にみられる大規模な遺伝子発現の制御や温度メモリー効果の実体が、エピジェネティックなゲノム変化に起因するという作業仮設を検証することを目的としている。遺伝子発現のエピジェネティック制御には、ヒストンのアセチル化やメチル化などの翻訳後修飾が関わっている。そこで本年度は、イネ遺伝子発現データベースに含まれる遺伝子の中から、ヒストン修飾に関わる酵素をコードすると考えられる87遺伝子に関して、各種ストレス処理による遺伝子発現量変化を比較解析した。その結果、今後の解析対象として32個の遺伝子を選抜した。それぞれの遺伝子に特異的なプライマーを作製し、全てのプライマーが機能することを確認した。
また、栄養成長期の低水温は穂ばらみ期の耐冷性に影響するというエピジェネティック効果の再現性を確認した。さらに、栄養成長期間の成長点ならびに冷害危険期の幼穂をサンプリングする方法を検討し、確立した。
さらに、イネの葉と幼穂からのクロマチン調整法について詳細を検討し、転写活性化に働くヒストン修飾であるH3K4me3、および転写抑制に働くヒストン修飾であるH3K27me3に特異的な抗体を用いたクロマチン免疫沈降によるデータ取得が可能となった。またデータ解析のパイプラインを作成した。

ID情報
  • 課題番号 : 18H03947