論文

査読有り
2002年10月

馬乳酒の飲用がモンゴル遊牧民の栄養に及ぼす影響

日本栄養・食糧学会誌
  • 石井智美
  • ,
  • 小長谷有紀

55
5
開始ページ
281
終了ページ
285
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.4327/jsnfs.55.281
出版者・発行元
Japan Society of Nutrition and Food Science

馬乳酒 (kumiss) は, モンゴル国の遊牧民の間で長い間大切にされてきた飲みもので, 乳酸菌と酵母によってウマの生乳を発酵させてつくられる伝統的な飲料である。遊牧民の成人男子においては夏季に毎日3Lの馬乳酒が飲まれていた。食生活において馬乳酒が, エネルギー摂取量に示す割合を調べた。調査世帯では, 成人男子における1日のエネルギー摂取量のうち, 約50%を馬乳酒によって摂っていることが明らかになった。さらに調査の結果, 1999年の旱魃, 2000年, 2001年の雪害によって, 多くの家畜が死んだ。このことで夏季に新鮮な乳製品が摂れなくなっていた。馬乳酒は遊牧民のエネルギー摂取に大きな役割を持っている。伝統的な発酵乳製品が摂取できなくなることによって, 食生活が変化すると, 遊牧民の食形態と健康に大きな影響をもたらすものと考える。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.4327/jsnfs.55.281
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/10010405998
CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN00311992
URL
http://id.ndl.go.jp/bib/6333996
URL
https://jlc.jst.go.jp/DN/JALC/00159852161?from=CiNii
URL
http://search.jamas.or.jp/link/ui/2003091557
ID情報
  • DOI : 10.4327/jsnfs.55.281
  • ISSN : 0287-3516
  • ISSN : 1883-2849
  • CiNii Articles ID : 10010405998
  • CiNii Books ID : AN00311992

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