共同研究・競争的資金等の研究課題

2008年 - 2009年

種子の脂質含量制御因子群の単離~オレオシンを利用した新技術の開発と応用~

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究  挑戦的萌芽研究

課題番号
20657011
体系的課題番号
JP20657011
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
3,300,000円
(直接経費)
3,300,000円

最近,植物が生産する資源に注目が集まっている.その一つに,種子の貯蔵脂肪がある.本研究では,油糧種子において脂質の集積を制御機構の解明とその応用を目指した研究を行った.オレオシン(脂肪を蓄積しているオルガネラ・オイルボディの膜タンパク質)とGFPの融合タンパク質を発現する種子が緑色蛍光を発するという発見に基づいて薬剤を用いない形質転換体の選抜方法の確立を行った.具体的には,オレオシンのプロモータにGFP融合型オレオシンをつないだDNAコンストラクトが遺伝子組み換え体の選抜マーカーとして有効であることを証明した.本方法をべースとして効率的かつ非破壊的な形質転換体作製技術を開発し,FAST (Fluorescence-Accumulating Technology)と命名した.この技術により,目的別の形質転換体作製のためのFASTベクターを10種類開発した.この技術については,昨年度の国内特許出願についで,今年度はPCT国際出願を行なった.FAST技術を公開した論文(Shimada et al.,Plant J.,2010)がオンラインで公表されて以来,約4ヶ月で70件余のリクエストがあった.ベルギー国のフランダース・バイオテクノロジー研究機関(VIB)の依頼を受け,FASTベクターの配布を委託した.モデル植物の形質転換技術は植物科学の分野で大きな貢献をしているが,FAST法の利用により,研究の一層の加速が期待できる.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20657011
ID情報
  • 課題番号 : 20657011
  • 体系的課題番号 : JP20657011