美齊津 文典
ミサイヅ フミノリ (Fuminori Misaizu)
更新日: 01/31
基本情報
- 所属
- 東北大学 大学院理学研究科 化学専攻 教授
- 学位
-
理学博士(The University of Tokyo)
- J-GLOBAL ID
- 200901039652578162
- researchmap会員ID
- 1000144741
- 外部リンク
研究分野
1学歴
4-
1987年4月 - 1989年5月
-
1985年4月 - 1987年3月
-
1983年4月 - 1985年3月
-
1981年4月 - 1983年3月
委員歴
15-
2019年10月 - 2023年9月
-
2022年3月 - 2023年2月
-
2014年10月 - 2018年9月
-
2014年10月 - 2016年9月
-
2014年10月 - 2016年9月
-
2014年4月 - 2016年3月
-
2012年4月 - 2016年3月
-
2011年4月 - 2013年3月
-
2008年10月 - 2012年9月
-
2010年12月 - 2011年11月
-
2009年9月 - 2010年8月
-
2004年10月 - 2006年9月
-
2004年4月 - 2006年3月
受賞
2論文
166-
Chemistry – A European Journal 2023年11月30日
-
The Journal of Physical Chemistry Letters 14(37) 8281-8288 2023年9月 査読有り
-
ECS Meeting Abstracts MA2023-01(12) 1285-1285 2023年8月28日
-
Japanese Journal of Applied Physics 62(SL) SL1008-SL1008 2023年5月15日
-
EPJ Techniques and Instrumentation 10 11 2023年4月21日 査読有り
-
The Journal of Physical Chemistry A 127(16) 3570-3576 2023年4月14日
-
Chemistry – A European Journal e202203163 2023年2月21日 査読有り
-
Physical Chemistry Chemical Physics 25(13) 9404-9412 2023年
-
International Journal of Mass Spectrometry 484 116978 2022年12月 査読有り
-
Journal of Chemical Physics 157(12) 124304 2022年9月 査読有り
-
Large Conformational Change in the Isomerization of Flexible Crown Ether Observed at Low TemperatureThe Journal of Physical Chemistry A 2022年7月14日
-
Chemical Physics Letters 794 139510-139510 2022年5月
-
The Journal of Physical Chemistry A 126(7) 1204-1210 2022年2月24日
-
Physical Chemistry Chemical Physics 24(18) 11096-11103 2022年
-
Chemical Communications 2022年
-
Plasma 4(2) 269-280 2021年5月19日
-
The Journal of Chemical Physics 154(17) 174301-174301 2021年5月7日
-
The Journal of Physical Chemistry A 125(17) 3718-3725 2021年5月6日
-
The Journal of Chemical Physics 154(16) 164108-164108 2021年4月28日
MISC
19-
分光研究 64(4) 480-483 2015年8月
-
しょうとつ 12(2) 27-35 2015年3月
-
分光研究 64(4) 2015年
-
化学と工業 68(1) 025-025 2015年1月
-
しょうとつ 11(6) 148-156 2014年11月
-
しょうとつ 11(4) 104-115 2014年7月
-
化学と教育 62(5) 240-241 2014年5月
-
エアロゾル研究 28(2) 113-118 2013年7月6日
-
化学 66(12) 24-25 2011年
-
日本物理学会講演概要集 64(1) 147-147 2009年3月3日
-
ソルト・サイエンス研究財団助成研究報告集 1 理工学 農学・生物学編 2007 2009年
-
化学反応討論会講演要旨集 22nd 2006年
-
分子構造総合討論会講演要旨集(CD-ROM) 2005 2005年
-
助成研究報告集 2005 83-90 2005年
-
分子構造総合討論会講演要旨集(CD-ROM) 2004 2004年
-
分光研究 53(6) 364-366 2004年
-
日本化学会講演予稿集 83rd(1) 401 2003年3月3日
-
日本物理学会講演概要集 58 204-204 2003年
-
年会講演予稿集 41(4) 58-58 1986年3月29日
講演・口頭発表等
68-
ACCMS-VO11 2016年12月19日
-
2nd International Conference on Innovations in Mass Spectrometry 2016年11月7日
-
EMN Meeting on Photocatalysis 2015年11月23日
-
International Symposium on Ion Mobility Spectrometry 2015年6月26日
-
Structures and reactions of metal oxide nanoparticle ions studied by ion mobility- mass spectrometryInternational Symposium on Ion Mobility Spectrometry 2015年6月26日
-
第63回質量分析総合討論会 2015年6月18日
-
30th Symposium on Chemical Kinetics and Dynamics 2014年6月5日
-
第62回質量分析総合討論会 2014年5月14日
-
International Society for Ion Mobility Spectrometry 2013年7月
-
19th International Mass Spectrometry Conference 2012年9月
-
Size-dependent structures of zinc oxide cluster ions studied by ion mobility mass spectrometry, 2012年9月
-
16th International Symposium on Small Particles and Inorganic Clusters, 2012年7月
-
特定領域研究成果シンポジウム 2012年6月
-
第59回イオン反応研究会 2012年5月
-
International Symposium on Clusters and Nano-Structures, 2011年11月
-
ナノサイエンススクール 2011年6月
-
New Horizons in Cluster Chemistry 2010年10月
-
15th International Symposium on Small Particles and Inorganic Clusters 2010年9月
-
日本大学工学部特別講義 2009年12月
共同研究・競争的資金等の研究課題
21-
2009年4月 - 現在
-
2009年4月 - 現在
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 2021年4月 - 2024年3月
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 2021年4月 - 2024年3月
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 2018年4月 - 2021年3月
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 2013年4月 - 2015年3月
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 2011年 - 2012年
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 2009年 - 2011年
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 萌芽研究 2006年 - 2007年
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 2005年 - 2006年
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 2003年 - 2004年
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 2001年 - 2002年
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 萌芽的研究 1998年 - 1999年
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 1996年 - 1998年
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 1995年 - 1997年
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 一般研究(C) 1995年 - 1995年
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 奨励研究(A) 1994年 - 1994年
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 重点領域研究 1994年 - 1994年
-
その他の研究制度 1993年4月
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 一般研究(C) 1993年 - 1993年
その他
12-
2016年4月 - 2016年4月食塩に代表されるアルカリハライドの超微粒子をさらに小さく分割していくと、最終的にはアルカリ金属原子Mとハロゲン原子Xがそれぞれ数個からなる「マイクロクラスター」と呼ばれる領域に達する。従来の質量分析法による研究から、これらのクラスターはM+とX-から構成され、バルクの結晶構造を保った構造をとることが知られている。このために、アルカリハライドの「クラスター」は「ナノ結晶」と呼ばれることもある。例えばカチオンクラスターNa14Cl13+, Na23Cl22+, Na32Cl31+はそれぞれ各辺の原子数が(3×3×3), (3×3×5), (3×3×7) となる直方体構造をとって安定に存在する。さらに最近の研究からこれらよりMXが一分子分だけ少ないクラスターではバスケット型構造をとっており、アンモニアなどの極性分子がその内部に吸着されやすいという報告もある。本研究では、真空中でこれらのナノ結晶を気相水分子と衝突させて質量分析法によりその吸着反応性を調べる。さらに理論計算を併用して、その反応活性サイトを明らかにする。これによってナノ結晶と水分子との相互作用を分子レベルで明らかにし、その溶解・潮解過程を解明する。申請者らの予備的な観測では、特にバスケット構造での水分子吸着反応には、アルカリ原子・ハロゲン原子による反応性の違いが現れている。このため本研究の結果として、将来的には(1)比較的潮解性の小さい塩結晶表面の開発、(2)バスケット型構造への分子吸着性を利用することによる塩化ナトリウムとそれ以外のアルカリハライドとの分離、につながる基礎的知見を得ることを目指す。
-
2015年4月 - 2015年4月食塩に代表されるアルカリハライドの超微粒子をさらに小さく分割していくと、最終的にはアルカリ金属原子Mとハロゲン原子Xがそれぞれ数個からなる「マイクロクラスター」と呼ばれる領域に達する。従来の質量分析法による研究から、これらのクラスターはM+とX-から構成され、バルクの結晶構造を保った構造をとることが知られている。このために、アルカリハライドの「クラスター」は「ナノ結晶」と呼ばれることもある。例えばカチオンクラスターNa14Cl13+, Na23Cl22+, Na32Cl31+はそれぞれ各辺の原子数が(3×3×3), (3×3×5), (3×3×7) となる直方体構造をとって安定に存在する。さらに最近の研究からこれらよりMXが一分子分だけ少ないクラスターではバスケット型構造をとっており、アンモニアなどの極性分子がその内部に吸着されやすいという報告もある。本研究では、真空中でこれらのナノ結晶を気相水分子と衝突させて質量分析法によりその吸着反応性を調べる。さらに理論計算を併用して、その反応活性サイトを明らかにする。これによってナノ結晶と水分子との相互作用を分子レベルで明らかにし、その溶解・潮解過程を解明する。申請者らの予備的な観測では、特にバスケット構造での水分子吸着反応には、アルカリ原子・ハロゲン原子による反応性の違いが現れている。このため本研究の結果として、将来的には(1)比較的潮解性の小さい塩結晶表面の開発、(2)バスケット型構造への分子吸着性を利用することによる塩化ナトリウムとそれ以外のアルカリハライドとの分離、につながる基礎的知見を得ることを目指す。
-
2014年4月 - 2014年4月食塩に代表されるアルカリハライドの超微粒子をさらに小さく分割していくと、最終的にはアルカリ金属原子Mとハロゲン原子Xがそれぞれ数個からなる「マイクロクラスター」と呼ばれる領域に達する。従来の質量分析法による研究から、これらのクラスターはM+とX-から構成され、バルクの結晶構造を保った構造をとることが知られている。このために、アルカリハライドの「クラスター」は「ナノ結晶」と呼ばれることもある。例えばカチオンクラスターNa14Cl13+, Na23Cl22+, Na32Cl31+はそれぞれ各辺の原子数が(3×3×3), (3×3×5), (3×3×7) となる直方体構造をとって安定に存在する。さらに最近の研究からこれらよりMXが一分子分だけ少ないクラスターではバスケット型構造をとっており、アンモニアなどの極性分子がその内部に吸着されやすいという報告もある。本研究では、真空中でこれらのナノ結晶を気相水分子と衝突させて質量分析法によりその吸着反応性を調べる。さらに理論計算を併用して、その反応活性サイトを明らかにする。これによってナノ結晶と水分子との相互作用を分子レベルで明らかにし、その溶解・潮解過程を解明する。申請者らの予備的な観測では、特にバスケット構造での水分子吸着反応には、アルカリ原子・ハロゲン原子による反応性の違いが現れている。このため本研究の結果として、将来的には(1)比較的潮解性の小さい塩結晶表面の開発、(2)バスケット型構造への分子吸着性を利用することによる塩化ナトリウムとそれ以外のアルカリハライドとの分離、につながる基礎的知見を得ることを目指す。
-
2011年4月 - 2011年4月原子分子小集団(クラスター)の光励起過程に関する時間分解計測は、フェムト秒レーザーを使って数多く報告されているが、化学種の振電状態を選択した観測は十分に行われているとはいえない。そこで、分子研の波長可変ピコ秒レーザーシステムを用いて気相ビーム実験を適用するための装置の整備を行い、完成後はそれを用いた測定を行うことを目的とする。具体的には、励起状態に解離経路をもつアンモニア分子を含むクラスター系への適用を予定している。
-
2011年4月 - 2011年4月構成する原子・分子の数(サイズ)が100を超える程度までのクラスター・ナノ粒子において、新たな機能性を系統的に探索することが求められている。このために、サイズおよびその構造を分離する手法(イオン移動度分析法)によって、サイズと構造(断面積)の間の相関マップを、様々なナノ粒子系イオンに対して整備する研究を進めてきた。本研究では、震災で中断した相関マップの観測研究を再開した。その結果、酸化亜鉛クラスターイオンにおいて、サイズの増加とともにどのように嵩張った構造から固体状態のコンパクトな構造に変化していくのかを明らかにすることに成功した。また、炭素クラスターイオンの構造の違いによって、酸化・水素化反応速度が数桁も異なることを発見した。さらに炭素やケイ素のクラスターイオンのサイズ30前後の領域で、異なる構造異性体では異なる光解離反応を引き起こすことを見出した。またこれらの研究と並行して、震災で破損した光電子エネルギー分析器に代えて新たな高感度分析器を設計・製作した。この結果、実験を継続しつつ分析器の組立、調整作業を進めることができた。これによって、被災によって中断された研究の遅れを大きく取り戻すことに成功し、研究継続に向けて前進することができた。
-
2010年4月 - 2010年4月高出力インパルスマグネトロンスパッタ装置を用いて生成される原子およびそのイオンの飛行時間質量分析による解析。およびこの手法を利用して生成される気相クラスターの分光と反応に関する研究。
-
2007年9月 - 2007年9月本研究計画では、原子分子が数個から数千個まで凝集したクラスターやナノ粒子について、従来行われてきた質量分析によるサイズ選択に加えて、異なる構造異性体を空間的に分離してその光化学的性質を明らかにすることを目指す。近年急速に発展した化学分析法であるイオン移動度分析法は、気体を満たしたセルの中に入射したイオンを、気体分子と衝突させながら静電場で進行させるものである。このときイオンがセルの中を通過する速さはイオン移動度と呼ばれ、イオンがどの程度の実効的な大きさを持つのかに依存して変化する。したがって、イオンの構造がちがうとその大きさが変化するので、セルを通過して出てくる時間が変わってくる。本研究では、この分析法と質量分析法を組み合わせて、特定のサイズの特定の構造のナノ粒子イオンを取り出し、レーザーを照射してその分解を観測する。そして、そのような光解離反応が粒子の構造によってどのように異なるのかを明らかにする。この研究はクラスター・ナノ粒子の機能性をより精密に調べる新たな手法を開発するものであり、さらに高性能な化学分析法の開発にも寄与しうると考えられる。
-
2007年4月 - 2007年4月食塩に代表されるアルカリハライドの超微粒子をさらに小さく分割していくと、最終的にはアルカリ金属原子Mとハロゲン原子Xがそれぞれ数個からなる「マイクロクラスター」と呼ばれる領域に達する。従来の質量分析法による研究から、これらのクラスターはM+とX-から構成され、バルクの結晶構造を保った構造をとることが知られている。このために、アルカリハライドの「クラスター」は「ナノ結晶」と呼ばれることもある。例えばカチオンクラスターNa14Cl13+, Na23Cl22+, Na32Cl31+はそれぞれ各辺の原子数が(3×3×3), (3×3×5), (3×3×7) となる直方体構造をとって安定に存在する。さらに最近の研究からこれらよりMXが一分子分だけ少ないクラスターではバスケット型構造をとっており、アンモニアなどの極性分子がその内部に吸着されやすいという報告もある。本研究では、真空中でこれらのナノ結晶を気相水分子と衝突させて質量分析法によりその吸着反応性を調べる。さらに理論計算を併用して、その反応活性サイトを明らかにする。これによってナノ結晶と水分子との相互作用を分子レベルで明らかにし、その溶解・潮解過程を解明する。申請者らの予備的な観測では、特にバスケット構造での水分子吸着反応には、アルカリ原子・ハロゲン原子による反応性の違いが現れている。このため本研究の結果として、将来的には(1)比較的潮解性の小さい塩結晶表面の開発、(2)バスケット型構造への分子吸着性を利用することによる塩化ナトリウムとそれ以外のアルカリハライドとの分離、につながる基礎的知見を得ることを目指す。
-
2006年4月 - 2006年4月食塩に代表されるアルカリハライドの超微粒子をさらに小さく分割していくと、最終的にはアルカリ金属原子Mとハロゲン原子Xがそれぞれ数個からなる「マイクロクラスター」と呼ばれる領域に達する。従来の質量分析法による研究から、これらのクラスターはM+とX-から構成され、バルクの結晶構造を保った構造をとることが知られている。このために、アルカリハライドの「クラスター」は「ナノ結晶」と呼ばれることもある。例えばカチオンクラスターNa14Cl13+, Na23Cl22+, Na32Cl31+はそれぞれ各辺の原子数が(3×3×3), (3×3×5), (3×3×7) となる直方体構造をとって安定に存在する。さらに最近の研究からこれらよりMXが一分子分だけ少ないクラスターではバスケット型構造をとっており、アンモニアなどの極性分子がその内部に吸着されやすいという報告もある。本研究では、真空中でこれらのナノ結晶を気相水分子と衝突させて質量分析法によりその吸着反応性を調べる。さらに理論計算を併用して、その反応活性サイトを明らかにする。これによってナノ結晶と水分子との相互作用を分子レベルで明らかにし、その溶解・潮解過程を解明する。申請者らの予備的な観測では、特にバスケット構造での水分子吸着反応には、アルカリ原子・ハロゲン原子による反応性の違いが現れている。このため本研究の結果として、将来的には(1)比較的潮解性の小さい塩結晶表面の開発、(2)バスケット型構造への分子吸着性を利用することによる塩化ナトリウムとそれ以外のアルカリハライドとの分離、につながる基礎的知見を得ることを目指す。
-
2006年4月 - 2006年4月金属原子イオンが分子で溶媒和された気相クラスターイオンの質量選別赤外光解離分光を行う。観測される振動スペクトルを理論計算から得られるものと比較することによって、その幾何構造を決定する。さらに金属原子や溶媒分子の種類による依存性、溶媒分子数依存性を検討し、凝縮相における溶媒和構造の微視的モデルの観点から議論する。
-
2005年4月 - 2005年4月食塩に代表されるアルカリハライドの超微粒子をさらに小さく分割していくと、最終的にはアルカリ金属原子Mとハロゲン原子Xがそれぞれ数個からなる「マイクロクラスター」と呼ばれる領域に達する。従来の質量分析法による研究から、これらのクラスターはM+とX-から構成され、バルクの結晶構造を保った構造をとることが知られている。このために、アルカリハライドの「クラスター」は「ナノ結晶」と呼ばれることもある。例えばカチオンクラスターNa14Cl13+, Na23Cl22+, Na32Cl31+はそれぞれ各辺の原子数が(3×3×3), (3×3×5), (3×3×7) となる直方体構造をとって安定に存在する。さらに最近の研究からこれらよりMXが一分子分だけ少ないクラスターではバスケット型構造をとっており、アンモニアなどの極性分子がその内部に吸着されやすいという報告もある。本研究では、真空中でこれらのナノ結晶を気相水分子と衝突させて質量分析法によりその吸着反応性を調べる。さらに理論計算を併用して、その反応活性サイトを明らかにする。これによってナノ結晶と水分子との相互作用を分子レベルで明らかにし、その溶解・潮解過程を解明する。申請者らの予備的な観測では、特にバスケット構造での水分子吸着反応には、アルカリ原子・ハロゲン原子による反応性の違いが現れている。このため本研究の結果として、将来的には(1)比較的潮解性の小さい塩結晶表面の開発、(2)バスケット型構造への分子吸着性を利用することによる塩化ナトリウムとそれ以外のアルカリハライドとの分離、につながる基礎的知見を得ることを目指す。
主要な社会貢献活動
7