2003年11月
有珠山2000年噴火による林地への泥流堆積が根圏のガス交換に与える影響(共著)
日本林学会誌
- ,
- 巻
- 85
- 号
- 4
- 開始ページ
- 332
- 終了ページ
- 339
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.11519/jjfs1953.85.4_332
- 出版者・発行元
- THE JAPANESE FORESTRY SOCIETY
有珠山2000年噴火により生じた降雨型泥流の堆積が根圏のガス交換に与えた影響を検討するため, 降D/D0雨型泥流の起きた斜面下部の2カ所の林地を対象に, 樹木の枯死状況と堆積物の通気性を調べた。枯死率がほぼ100%の調D/D0査区では, 火口噴出降下物が約10cm堆積した上を泥流堆積物が約20cmの厚さで覆う二層構造をなし, 枯死率36%の調D/D0査区では, 降下物のみが約10cmの厚さで堆積していた。すなわち地表の土砂堆積構造により枯死状況が異なっていた。現D/D0地観測によるpFの変動状況と, 室内試験より得られたpFと相対ガス拡散係数D/D0の関係から, 高枯死率の調査区の泥D/D0流堆積物はD/D0が0.02以下で, 降下堆積物のD/D0は常に0.005以下で, 両層ともガス拡散がほとんど起こらなかったとD/D0推察された。一方, 低枯死率区における降下堆積物のD/D0は無被害森林土壌表層と同程度で, 測定期間の半分で0.02以D/D0上を示し, ガス拡散が十分に行われていたと推察された。以上より, 降雨型泥流堆積物とこれにより被覆された降下堆積物D/D0は通気性が低いために根圏と大気とのガス交換が阻害され, 根系が酸素欠乏した結果, 樹木群の枯死が生じたと考えられた。D/D0
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.11519/jjfs1953.85.4_332
- ISSN : 0021-485X
- CiNii Articles ID : 130003580561