2014年10月31日
ナラ枯れ跡地の低木類の現況と刈り払い後の飼料化の試み
東北森林科学会誌
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- 巻
- 19
- 号
- 2
- 開始ページ
- 51
- 終了ページ
- 58
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.18982/tjfs.19.2_51
- 出版者・発行元
- 東北森林科学会
山形県庄内地方のナラ枯れ被害林分と未被害林分のそれぞれ8林分において,林床に出現する低木類の種組成と現存量を調べた。調査林分では低木類が高密度に繁茂している一方で,ミズナラ稚樹はほとんど確認されなかった。林床の相対光量子密度(rPPFD)は,地表0m,高さ0.5mおよび1.5mでそれぞれ2%,4%,8%程度で,低木の刈り払いによる光環境の改善が行われなければミズナラ林として再生は困難と予測された。低木の刈り払いを実施した直後のrPPFDは,ミズナラ稚樹が生育可能とされる20%以上に上昇していた。これら刈り払われた低木類の有効利用を目的として,現存量の多かった3種(オオバクロモジ,リョウブ,ユキツバキ)をチップ化してウシに飼料として与え,嗜好実験を行ったところ,低木チップは特に好まれたわけではないが,飼料としての利用は可能であり,果樹の剪定枝で行われているサイレージ化などで飼料としての価値を高めれば,里山の再生と飼料供給に貢献する選択肢になり得ると考えられた。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.18982/tjfs.19.2_51
- ISSN : 1342-1336
- CiNii Articles ID : 110009878549