共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2023年3月

過去400万年間に起こった地磁気逆転の年代確定と生物相・気候に対する影響の検証

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
19H00710
体系的課題番号
JP19H00710
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
44,850,000円
(直接経費)
34,500,000円
(間接経費)
10,350,000円

本課題研究が目的とする房総半島に分布する海成層から地磁気逆転の様子を詳細に復元し、その前後で起こった環境変動の様子を詳細に復元することに関して、研究初年度は以下の成果を得た。
1)堆積速度が速く安定した古地磁気シグナルを持ち、環境指標となる微化石産出が良好な房総半島中央部の千葉複合セクションに分布する海成層を用いることで、松山-ブルン地磁気逆転境界における地磁気変動をこれまでにない時間解像度で明らかにすることに成功した。地層が記録する地磁気方位の分析を行い、当時の地磁気極の緯度と、地磁気双極子の強さ(磁場の強さを表す)を極めて高い時間解像度で示した( Simon et al., 2019)。
2)上記と同じ千葉複合セクションより得られた、生息水深の異なる4種類の有孔虫化石を用いて、30年から540年間の時間分解能で酸素同位体比分析を行った(Haneda et al., 2020)。この結果、千葉複合セクションの周辺海域では、79万2千年前から78万6千年前の寒冷期(氷期)から温暖期(間氷期)への気候変遷期と、77万4千年前から75万6千年前の温暖期から寒冷期への気候変遷期に、約3千年から6千年の時間スケールで繰り返される極端な水温の変化があったことが明らかになった。この結果は、北大西洋で起こる海洋変化が、遠く離れた北西太平洋の海洋環境を大きく変化させる可能性を示しており、太平洋における今後の古気候・古海洋分析に関わる研究に対して大きな影響を与えると考えられる。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19H00710
ID情報
  • 課題番号 : 19H00710
  • 体系的課題番号 : JP19H00710

この研究課題の成果一覧

受賞

  9

論文

  11