共同研究・競争的資金等の研究課題

2010年4月 - 2013年3月

骨伝導聴覚刺激によるP300応用意思伝達支援システムの実用開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

課題番号
22500502
体系的課題番号
JP22500502
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円
資金種別
競争的資金

:極めて重症な神経筋疾患者(児)・高位頸髄損傷者 の意思伝達支援を目的とし,新らたな導出手法による 脳波応用意思伝達支援システムの開発に主眼を置いて いる.これまでの脳波応用インタフェース研究では用 いられていない骨伝導聴覚刺激による事象関連電位 P300成分を応用する.独自の刺激呈示手法で導出した 目的P300をコマンド変換し,生活支援デバイスの制御を可能とするシステムである点を特長としている.呈 示刺激の選択聴取にあたる利用者負担を軽減できる骨 伝導聴覚を用いた独自の脳波誘発手法による支援シス テムであり,活用の利便性を確保した新規性のある意 思伝達支援システムである.骨伝導聴覚刺激による独 自の導出方法により,生活支援デバイスを制御可能と するP300応用BCIの実用化を最終目標としている.研究 計画期間は3年間とし,初年度H22年度は,P300誘発に 最適な骨伝導音の伝達特性についての基礎的研究を更 に進め,健常者を対象としてデータ収集して導出手法 の検討を実施する.次年度H23年度は,骨伝導聴覚刺激 システムを構築し,呈示する刺激音の音圧レベル,周 波数,刺激持続時間などの刺激パラメータを変化させ 刺激音呈示の最適条件を更に被験者を増やして明らか にする.また,目的P300信号の特徴抽出のための独自 のアルゴリズムを既存開発ソフトウエアと開発プログ ラムとを融合させて構築し,オフライン上でのP300信 号処理と特徴抽出アルゴリズムの構築を完了させる. 最終年度のH24年度では,構築してきた独自の骨伝導聴 覚刺激によるP300応用BCIシステムにコマンド変換プ ログラムを加え,健常者を対象としてオンライン上で のデバイス制御の実験を計画実施し,骨伝導聴覚刺激 によるP300応用BCIシステムの実用性を検証した.ま た,より複数の制御コマンドを確保するための刺激条 件の検討においても,これまでのP300成分導出では応 用されていない音像定位させた弁別音によっても,骨 伝導刺激と気導刺激の双方の条件で安定した目的P300 成分の導出が可能であった.音刺激条件のパラメータ の一つとして,方位情報を持たせた聴覚刺激音(音像 定位刺激音)による構築の可能性も示唆された.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-22500502
ID情報
  • 課題番号 : 22500502
  • 体系的課題番号 : JP22500502