2020年10月
杨文会、太虚的佛教统合论与《大宗地玄文本论》的评价
『北大仏学』(王頌主編、北京大学仏教研究中心)
- 巻
- 2輯
- 号
- 開始ページ
- 199
- 終了ページ
- 215
- 記述言語
- 中国語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- 出版者・発行元
- 社会科学出版社(中国・北京市)
近代中国仏教の立役者である楊文会は、馬鳴菩薩造・真諦三蔵訳とされる『大乗起信論』と『大宗地玄文本論』に基づく馬鳴宗によって仏教を統合し、隋唐仏教を復興させようとしており、太虚もその立場を受け継いで『大宗地玄文本論』を高く評価している。筆者は、その『大宗地玄文本論』が新羅成立であることを発見した。『華厳経』は信の段階が終わったところでの成仏を認めるが、『大宗地玄文本論』は初心である信の位において成仏することを認める点を、在家の楊文会は高く評価し、また『大宗地玄文本論』は密教的な要素もあるため、太虚はこれによって全仏教を統括できると考えたと思われる。