共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

氷天体探査のための次世代理学測器の基礎開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
20H00194
体系的課題番号
JP20H00194
配分額
(総額)
45,240,000円
(直接経費)
34,800,000円
(間接経費)
10,440,000円

イオン質量分析器、可視カメラ光学系、焦点自動調節機構について、以下を実施した。
・イオン質量分析器: CubeSat搭載可能サイズ(1辺10cm以下)でありながらm/dm ~ 30 の高質量分解能を持つ飛行時間分析型質量分析部テストモデルの性能試験を実施した.高速デジタイザ等を購入して飛行時間分析計測の試験設備を整備したうえで,真空槽中に設置したテストモデルに5 keVのイオンビームを入射させることで質量スペクトルを取得した.外部から導入したN2ガスや真空槽中に残留するH2O, COガスに由来するC, N, Oの原子イオンのピークが十分に分解されており,設計通りのm/dm ~ 30の質量分解能が達成されていることを確認できた.
・可視カメラ光学系:昨年度に設計・製作したゴースト低減新装置を用いた性能評価試験を網羅的に実施し、2枚のフィルタを組みわせることでゴーストの光量を入射光強度の1/10000以下に低減できることを確認した.
さらに,超小型探査機への応用を意識して,低コスト(<100万円)の民生品CMOSセンサの搭載可能性の検討に向けて,CMOSセンサ駆動用の電子回路基板を設計・制作した.この基板は探査機搭載を前提としてFPGAで駆動されており,CMOSセンサの駆動の他に,画像処理や探査機との通信,電源変換等も行う能力を持つ.これにより、CMOSセンサの耐放射線性能試験や,高速演算処理のためのソフトウェア開発に繋げる準備が整った。
・焦点自動調節機構:ステッピングモータとリニアガイドを使用したレンズ位置調整機構を製造した。機能性能試験にて駆動距離、位置駆動制御、バックラッシュ、直進度のずれのいずれも設計要求が達成できることを確認した。さらに振動・衝撃・熱真空試験を実施し、ロケット打ち上げ時の振動衝撃に十分に耐えられることも実証した.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H00194
ID情報
  • 課題番号 : 20H00194
  • 体系的課題番号 : JP20H00194