2017年4月 - 2021年3月
地球惑星超高層大気の中性粒子分布・力学機構の実証解明を実現する直接観測の基盤構築
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
本研究の目的は将来の地球の電離圏・磁気圏観測や他天体の周回観測及び他天体への着陸探査を含めた惑星探査に向けた、4種類の人工飛翔体搭載用中性粒子質量分析器を開発することである。「マルチターンTOF型質量分析器」については平成29年度に引き続き宇宙機搭載用パルス高圧電源の開発を行った。その結果、宇宙用TOF型質量分析計に必要な、昇圧レベル1kV・消費電力2W未満・立ち上がり時間50ナノ秒で昇圧後の平坦さ10%以内を実現したパルス高圧電源基板を試作することができた。「多反射リフレクトロン型質量分析器」については、平成29年度に行った設計・検討結果を基に詳細設計を行った上で試験モデルの試作を行うことができた他、平成29年度に完了できなかった1回反射型リフレクトロンの実験室モデルの改良と測定装置の改良を行った。所期の質量分解能200には到達しなかったものの「多反射リフレクトロン型質量分析器」の詳細設計に反映すべき設計指針を得ることができた。「四重極型質量分析器」については、平成29年度に開始した、4つの質量分析器に共通の開発項目である中性粒子の電離機構部の開発を進め、酸化バリウムを多孔質タングステンに含浸させたカソード,および酸化イットリウムをイリジウムにコーティングしたカソードの性能試験・耐久試験を実施することで、搭載可能なレベルの電離機構部の設計を行うことができた。「2次元速度計測用ベネット型中性粒子分析器」については、試作モデルに関して昨年度に行った雑音除去の為の電極構造を設置するための内部電極構造の再確認を行ったのに加えて速度分布関数を取得出来る様に、2次元位置検出器の較正実験を行った。また、粒子ビームの2次元空間プロファイル取得システムを完成させた他、粒子ビームラインのモニターシステムを開発し、中性粒子分析器開発に必要な粒子ビームラインの特性取得を可能にした。
- ID情報
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- 課題番号 : 17H01164
- 体系的課題番号 : JP17H01164