共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

軽油・重油へのファインバブル添加による燃費改善および排ガスクリーン化

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K05409
体系的課題番号
JP20K05409
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

ファインバブルを添加したディーゼル燃料の燃焼改善のメカニズムとしては,燃料がシリンダー内部へ噴射された直後,ファインバブルの再析出や膨張破裂により,噴霧燃料の微粒化の促進と混合気形成の向上を引き起こす.さらに,噴霧された液滴燃料表面の揺らぎを誘発し,伝熱・蒸発・燃焼の促進を引き起こす.結果として,着火性の向上,燃焼時間の短縮,燃えきり性の向上による燃費の低減,およびNOx,黒煙,PMの低減から排ガスクリーン化へつながるものと考えられる.
しかしながら,大型船舶や火力発電所等の燃料であるC重油は,高温(150℃程度)・高圧(0.5 MPa程度)・高粘度(100cSt程度)という過酷な環境下で使用されている.ファインバブル添加の有利性を最大限に発揮させるためには,機関サイズやタイプの異なる各種ディーゼル機関に,最適な気泡径と気泡量にコントロールする必要がある.
そこで本研究は,高温・高圧・高粘度な劣悪ディーゼル燃料中へのファインバブル添加技術開発と,それによる燃費改善と排ガスクリーン化を目的とした.
燃料はC重油を用い,燃料消費量1 L/min.に対して,空気混入量0.1,0.2,0.3,0.4 L/min.と変化させて,燃費と排ガスに及ぼすボイド率の影響について実験・検討を行った.空気混入量0.2 L/min.のときに,燃費が負荷平均5.7%,最大で7.2%低減され,スモークは最大52%低減された.燃料への空気混入量には最適値があり,空気混入量が少ないと燃料への混入気泡数自体が少なくなり,一方で多くなりすぎると気泡径が大きく,気泡数は少なくなり,燃費とスモークの低減効果が低下することがわかった.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K05409
ID情報
  • 課題番号 : 20K05409
  • 体系的課題番号 : JP20K05409