論文

2017年3月

易摩耗性スプリントを用いた摩耗の定量的評価法の開発

日本顎口腔機能学会雑誌
  • 平井 健太郎
  • ,
  • 井川 知子
  • ,
  • 重田 優子
  • ,
  • 小川 匠

23
2
開始ページ
107
終了ページ
116
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.7144/sgf.23.107
出版者・発行元
日本顎口腔機能学会

本研究では咬耗の検査法の確立を目的に、2層性の易摩耗性診断用スプリントを開発した。診断用スプリントは、非生理機能である睡眠時ブラキシズムによるスプリント咬合面への影響を選択的に観察できるように、フルバランスドオクルージョンに調整されている。診断用スプリントと3Dスキャナーで構成される摩耗測定システムは、使用前後のスプリントの咬合面のスキャンデータを比較することで摩耗を定量的に解析可能である。ゲージブロックを用いて精度検証を行った結果、測定誤差の誤差率は2%以下で、ゲージブロック間で有意差が認められた。重ね合わせ(レジストレーション)誤差に関して、レジストレーションを行ったスキャンデータセットの組み合わせ間で有意差が認められた。本システムに採用した画像処理技術は、スプリントの咬合面部の0.05mm以上の厚みの変化を検出可能であることが示された。ブラキシズムの自覚のある成人被験者2名(45歳女性、77歳男性)に診断用スプリントを装着し、装着2週間後の摩耗を評価した結果、診断用スプリント咬合面の変化が検出された。両被験者の摩耗の部位や範囲は異なっていた。本研究結果から、診断用スプリントを用いた摩耗測定システムを使用することで短期間に摩耗の部位、深さ、体積、方向などを定量的に評価できることが示された。(著者抄録)

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DOI
https://doi.org/10.7144/sgf.23.107