論文

2017年1月

チーム医療による顎骨欠損症例の顎骨再建と咬合再建

鶴見歯学
  • 井川 知子
  • ,
  • 重田 優子
  • ,
  • 平井 真也
  • ,
  • 小川 匠
  • ,
  • 中岡 一敏
  • ,
  • 濱田 良樹
  • ,
  • 原田 直彦
  • ,
  • 河村 昇

43
1
開始ページ
40
終了ページ
48
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
鶴見大学歯学会

インプラント治療のセンター化に伴い、口腔外科、補綴科、インプラント科、技工研修科の合同によるチーム医療体制の構築が可能となった。本稿では2症例を挙げ、各科での診療内容、特に医用工学の応用例について述べる。症例1は下顎歯肉癌のため下顎骨の区域切除術を受け、顎骨欠損による咀嚼困難を訴える77歳女性である。オクルーザルオーバーレイスプリント(リテーナー型義歯)を用いて咬合治療を行い、切除前のCTデータから構築した3Dモデルを用いて、仮想空間上(Virtual Reality:VR)で審美性、機能性を考慮したシミュレーションを行い、3Dプリンターによる実態モデルを用いてカスタムメイドのチタンメッシュトレーを製作、腸骨PCBMを用いた顎骨の再建および部分床義歯による咬合再建を行った。症例2は下顎歯肉癌のため下顎骨の辺縁切除術による顎骨欠損に対し、症例1と同様にVRおよび実態モデルから術前シミュレーション後、顎骨再建を行い、補綴主導型インプラント治療による咬合再建を行った。医用工学技術を用いることで、医療情報および治療計画を複数の担当医間で共有することが容易になり、治療のゴールが明確化することから効率よく安心、安全で質の高い医療の提供を可能となることが示唆された。(著者抄録)