2018年4月 - 2021年3月
北海道噴火湾のトヤマエビ漁業における小型個体保護のための脱出機能付かご漁具の開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
- 課題番号
- 18K05775
- 体系的課題番号
- JP18K05775
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
-
- (総額)
- 3,120,000円
- (直接経費)
- 2,400,000円
- (間接経費)
- 720,000円
- 資金種別
- 競争的資金
本研究では,噴火湾のトヤマエビPandalus hypsinotusの資源保護を行うとともに,同地域の同種を対象とするかご漁業の持続性を担保するための漁具改良法として,かご漁具の網地の網目拡大,脱出口の装着の2 種類の方法について適切な仕様を決定し,その効果と漁業における実用性を検証することを目的として,1)トヤマエビの行動特性とかごからの脱出行動に関する水槽実験,2)試験かごを用いた効果の評価,を計画している。本年度は,トヤマエビの行動生態とかごからの脱出行動の把握を目的として,1)トヤマエビの行動特性の調査,2)かご漁具の網地の網目サイズ(目合32, 43, 52, 65mm)と脱出効果の関係について,北海道噴火湾内森漁港で水揚げされたトヤマエビを供試個体として北海道大学函館キャンパスの先端環境制御実験棟内に設置された海水循環式飼育水槽を使用して水槽実験を実施した。
1)トヤマエビの行動特性 個体サイズ別では,小型個体の活動量が大型個体より大きいことが明らかとなった。また,大型,小型個体のどちらにも24時間程度の活動の日周性が認められた。特に,小型個体の活動量は夜間において大型個体よりも高くなったことから,夜間に操業されるかご漁具への脱出口等の装着は,小型個体の保護に有効であると考えられた。ただし,他の種で見られるような縄張り行動とそれにともなう個体間の威嚇行動は認められなかった。
2) 網地の網目サイズと脱出効果の関係 実験から求められた網地によるエビの保持率において,現在商業的に使用されている目合32mmでの値は0.99となり,ほとんどの個体がかごから脱出しないことが推測された。なお,網地によるエビの保持率は網目の拡大とともに減少したことから,網目の拡大による小型個体保護は可能であると判断された。
1)トヤマエビの行動特性 個体サイズ別では,小型個体の活動量が大型個体より大きいことが明らかとなった。また,大型,小型個体のどちらにも24時間程度の活動の日周性が認められた。特に,小型個体の活動量は夜間において大型個体よりも高くなったことから,夜間に操業されるかご漁具への脱出口等の装着は,小型個体の保護に有効であると考えられた。ただし,他の種で見られるような縄張り行動とそれにともなう個体間の威嚇行動は認められなかった。
2) 網地の網目サイズと脱出効果の関係 実験から求められた網地によるエビの保持率において,現在商業的に使用されている目合32mmでの値は0.99となり,ほとんどの個体がかごから脱出しないことが推測された。なお,網地によるエビの保持率は網目の拡大とともに減少したことから,網目の拡大による小型個体保護は可能であると判断された。
- ID情報
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- 課題番号 : 18K05775
- 体系的課題番号 : JP18K05775
この研究課題の成果一覧
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論文
1-
水産工学 57(3) 91-97 2021年 査読有り責任著者