2018年4月 - 2021年3月
原因不明突然死予防への挑戦ートランスオミックス解析による死亡分子機構の解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
原因不明の突然死については未だ死亡機序が明らかではない。今年度は対象となった事例について全エクソーム解析を行った。解析については、北米人類遺伝学会、国際ゲノム会議の指標に基づいた評価を用いて、東北ゲノムや東京医科学研究所でのゲノムと比較的して病的あるいは有意とされたものを疾患特異的な変異をした。対象群においては平均で概ね23万あまりの変異が検出された。まず、突然死群、心肥大群、その他の群で分けた解析を行い、特に心疾患関連遺伝子に着目した解析では、突然死群と心肥大群で有意に心疾患関連遺伝子の変異が有意に多く、一方で、その他の群はその変異の割合が有意に低かった。自律神経関連遺伝子に着目した解析においては、突然死群と、心肥大群・その他群で層別化ができ、有意に変異が多いことが明らかとなった。このことは、突然死群においては少なくとも心疾患関連遺伝子変異に加え自律神経関連遺伝子変異が関与している可能性を示した。乳幼児突然死群においては全例において自律神経関連遺伝子変異が有意に多い結果が得られている。さらに特異的な1例に見出された遺伝子変異をヒントにして乳幼児突然死例に関して解析を行ったところ、1例を除きその特異的な遺伝子変異が見出され、乳幼児突然死のリスクファクターになる可能性を示した。
メタボロミクス解析においては、初年度は顕著に差違が検出できる外因死群について解析を行った。つまり、窒息と薬物中毒例である。尿の解析においては、アミノ酸解析で2群間でmultiplexで有意に差を認め、その有効性が示された。窒息は短時間死亡で特に呼吸障害の代表でもあり、突然死群における病態の解明の一助になる可能性が示唆された。
メタボロミクス解析においては、初年度は顕著に差違が検出できる外因死群について解析を行った。つまり、窒息と薬物中毒例である。尿の解析においては、アミノ酸解析で2群間でmultiplexで有意に差を認め、その有効性が示された。窒息は短時間死亡で特に呼吸障害の代表でもあり、突然死群における病態の解明の一助になる可能性が示唆された。
- ID情報
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- 課題番号 : 18H04078
- 体系的課題番号 : JP18H04078