共同研究・競争的資金等の研究課題

1999年4月 - 2002年3月

含水溶媒中でのGrignard型付加反応の開発と実践的合成プロセスへの応用

日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(B)
  • 和田 眞

課題番号
11554024
体系的課題番号
JP11554024
配分額
(総額)
13,300,000円
(直接経費)
13,300,000円
(間接経費)
0円
資金種別
競争的資金

本研究は、含水溶媒中でのGrignard型付加反応の開発と実践的合成プロセスへの応用と題して、平成11年度〜平成13年度に行った。得られた成果は以下の通りである。
1)金属ビスマスとハロゲン化アリルから得られる水中で安定なアリルビスマス試薬を用いて、抱水アルデヒド・ケトンや無保護の水酸基・カルボキシル基を有するカルボニル化合物のアリル化反応を検討したところ、収率よく対応するアリル化生成物が得られた。
2)1当量のアリルGrignard試薬とBiCl_3、SbCl_3、SnCl_4、SnCl_2、InCl_3、あるいはNiCl_2から得られる水に安定なアリル化試薬を用いて、上述のカルボニル化合物のアリル化反応を検討したところ、収率よく対応するアリル化生成物が得られた。
3)水に溶解する光学活性プロトン酸存在下、水中や含水溶媒中で、アリルビスマス試薬やアリルスズ試薬をアルデヒドやイミンと反応させたところ、不斉アリル化反応が進行することを見出した。
4)トリブチルスズヒドリドを用いるアルデヒドの還元反応を、含水溶媒中、メタノール中、あるいは全くの水中で試みたところ、収率よく対応するアルコールが得られた。
5)トリブチルスズヒドリドを無溶媒シリカゲル上で、アルデヒドおよびアニリンと反応させたところ、段階でイミンの還元反応が進行することを見い出した。以上のように、含水溶媒中や水中で進行する有機合成反応、水酸基やカルボキシル基の保護を必要としない反応、有機溶媒を用いない反応など、グリーン化学を目指した実践的合成プロセスを見い出すことができた。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-11554024/
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-11554024
ID情報
  • 課題番号 : 11554024
  • 体系的課題番号 : JP11554024