共同研究・競争的資金等の研究課題

1999年 - 2000年

鋼橋の合理的な補修・補強による維持管理費低減に関する研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 奨励研究(A)  奨励研究(A)

課題番号
11750423
体系的課題番号
JP11750423
配分額
(総額)
1,400,000円
(直接経費)
1,400,000円

交通量や車両重量の増大に伴って,鋼橋の構造部材に疲労き裂が生じたという事例が数多く報告されている.この損傷数は年々増加する傾向にあるため,今後,膨大な数の鋼橋に疲労損傷が発生することが懸念される.したがって,疲労損傷に対して合理的な補修・補強を行うことは鋼橋の維持管理費を低減する上で重要である.本研究では,今後の鋼橋の維持管理費を低減することを目的として,実橋部材の疲労損傷度やその発生箇所,余寿命を実働応力測定,疲労試験,疲労寿命解析および非破壊検査などに基づき定量的に評価する.また,点検周期,補修時期,経済的な補修・補強方法やその効果などを検討し,鋼橋の合理的な補修・補強方法を確立する.
本年度は,実橋における部材溶接部の疲労破壊起点の簡便な評価手法,および製作誤差や溶接欠陥を有する溶接継手部の疲労強度評価法を確立するために,以下に示す検討を行った.
1.実橋における部材溶接部の疲労破壊起点評価手法の確立
これまで,十分な研究が行われていない溶接継手の疲労挙動を疲労き裂進展試験および応力解析により明らかにした.また,この検討結果に基づき,簡便に疲労破壊起点を評価する手法を破壊力学的解析および疲労試験により確立した.
2.製作誤差や溶接欠陥を有する溶接継手部の疲労強度評価法の確立
実構造物に生じる溶接継手内部の製作誤差や溶接欠陥を溶接施工試験により明らかにした.また,様々な製作誤差や溶接欠陥を有する溶接継手の疲労試験を行うことで,これらが溶接継手の疲労挙動に及ぼす影響を明らかにした.さらに,製作誤差や溶接欠陥が生じた場合の溶接継手の疲労強度評価法を確立した.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-11750423
ID情報
  • 課題番号 : 11750423
  • 体系的課題番号 : JP11750423